はちま起稿問題とゲームメディアの信頼性への危惧

先日ネットでゲーム業界関係者が、ゲームブログ「はちま起稿」の管理人と飲んでいるという写真が出たことにより、ネットでちょっとした目立っております。主には「はちま起稿」が過去、ブログで起こしてきた所業に対し、そことゲーム業界の関係者がつるんでいるというのが問題というもの。しかしこの問題の本質はここではなく、別のところにあるのではないかと思ったので、それについて書いてゆきます。

※2016/4/30:追記と修正を行いました。文末に詳細を記してあります。

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「はちま起稿」の過去の問題行為

「はちま起稿」というブログの存在がどうしてここまで問題とされてるのか、分からない人の経緯を簡単に説明します。「はちま起稿」はゲームサイトとして始まった個人ブログです。当初は比較的普通の個人ゲームブログでしたが、次第にゲーム業界ネタを扱うようになり、その記事の内容も2ちゃんねるのゲーム・ハード板にあるゲームのマイナス面を取ってまとめるまとめサイトとなってゆきます。ゲームを扱うまとめサイトは複数ありましたが、中傷やマイナス面を取り上げての評価、時には作り手への個人攻撃的なものなどがあり、注目を集めると同時に嫌う人も多発します。

中でも問題とされたのは「デマ」を載せること。とりあえず以下一例。

実在が疑わしい開発者が記事を書き みらいマニアックス !が翻訳し はちま起稿らが拡散 – EXAPON Becky!

やまもといちろう 公式ブログ – はちま寄稿がアニメ事業の売上で誤報を拡散 – Powered by LINE

そのせいか2012年、やらおん、ハムスター速報、オレ的ゲーム速報@刃等と共に2ちゃんねるに転載禁止の旨が書かれることになります。

その時の騒動について詳しくは以下に。

先日、以下のようなこのようなニュースがありました。■2ちゃんねるまとめサイトが一斉謝罪 広告料・代理店名など「カモフラージュ広告」の実態明らかに - ねとらぼ ■FC2ブログ全域に「2ちゃんねる転載禁止」発動か ひろゆき氏言及 - ねとらぼさてこの2ちゃんねると2ちゃんねるのスレをまとめているブログ、すなわち2chまと...
前回からの続きになります。前編を読まれていない方は、そちらから目を通していただくと幸いです。 nakamorikzs.net

しかしその後も存続。コメントからまとめをしている状態です。

このようなことが積み重なったが故に嫌う人が多いサイトというのが実情で、Chromeでは見るのを排除するためにはちまバスター なる拡張機能までが出ています。

その2ちゃんねる転載禁止令の前に、ちょっとした騒ぎがありました。

2012年、2ちゃんねると2ちゃんねるまとめサイトの間で何が起こっていたのか(前編)でも触れましたが、2012年1月「はちま起稿」騒動というものが起こり、「はちま起稿」の管理体制やそこの会社組織、そして管理人の清水鉄平氏の実名や個人情報が晒されるという出来事がありました。そこで清水氏は引退を宣言します。

大手ゲームブログ『はちま起稿』が引退宣言 個人特定により家族までバレる ほぁ | ガジェット通信

その時いろいろな情報が出て来て、さらに本人も『今後、俺がこのブログを管理・更新することはありませんし、そこから利益を得ることもございません。』と書きます。しかし5月には復帰していたようです。ここで「株式会社KND」と自ら出しているので、はちま起稿が会社として運営しているのは確かなようです(ネットを探ればさらにいろいろな情報が出て来ますが、ソースがどれだけ合っているのか不明瞭なものも混じっているので、ここで書いたものはソースのあったものだけに留めておきます。それもふまえて参考→はちま起稿とは (ハチマキコウとは) [単語記事] – ニコニコ大百科)。

ただ、現在ブログを運営する上にあたって既に個人経営ではなく複数の人が運営している、もしくはそれを法人化しているケースは非常に多くあります。仕事募集サイトでは、更新する人を(薄給で)募集する案件が見られますし。しかし問題は会社が運営することではありません。

会社は一般的に営利を目的とします。しかし営利を目的とする法人が運営するサイトで、前述のような問題行為を行なっているという行為については問題があるのではないでしょうか。もちろんこのような形態ははちま起稿に限らず現在のネットの多くで存在してしまっていますが、だからといって一般的に許容されるかというとそうとは言えないでしょう。

今回問題として拡散したのは

最初の件に戻ります。

今回騒ぎになったのは、そのような問題を知っている人はが多くいて、しかし今回、このような状況が積み重なっていたからこそ、問題となったと思われます。つまり、そのようなことをするリテラシーがないところであるなら、接近するなら何かしらほかの目的、例えば金銭的営利関係を目的とした関係を連想させてしまうなど。

ゲームメディアの人と開発者が飲みに行くことならよくあります。そしてそこでは通常営利的な関係での接触はないでしょうし。しかし今回の場合、過去の言動よりそうは思われなかったと。

信頼性にも波及する問題

ただ、これがひとつのサイトの問題で終わるのならばまだいいのです。しかし問題の本質はそこではなく、ゲームメディアの信頼性という外部に波及する問題にあると思われます。つまり、はちま起稿だけが特殊ではなく、ゲームメディアにおいて企業サイトでも載せている情報は全部金など営利関係が働いているのではないかと受け取り手に思われてしまうこと。それこそ真実はさておく形で。

ゲームメディアでは、それこそ雑誌の時代から広告の出稿により特集を組むなどの関係はありました。しかし、そこでは「ルール」「節度」があったはずです。すなわち紹介はするしいいとこを採るし、たまには大げさな表現も使うけど、嘘はつかないというもの。また、他者を貶して上げるというはもってのほか。

以下重要な追記修正

今存在するほとんどの、普通のゲームメディア及びそれに携わる人はそういった節度を持って動いていると言えます。故に今回の写真の件も「考えすぎ」と思い、大規模とはいえ一介のサイトの管理人がどうやって知り合ったのかはわかりませんが、個人的な利益供与関係があったと思っている人はそこまではいないでしょう。

しかしネットが広まり、「はちま起稿」などのまとめサイトが出来てからすでに10年近くが経ち、それの利用者もかなりの数に、それこそブログランキングでは上位を占めるくらいの注目度があります。

ネットを黎明期からやっていた古いゲーマーにとっては一般的なゲームメディアとあの手のサイトは切り分けが出来、信頼の度合いも分けることが出来るでしょう。しかし、現在はそのボーダーが薄くなってきていると感じます。それは、もうゲームに興味を持ち始め、はじめてネットに触れるゲーマーにとっては、その情報は一般的なゲーム情報と並列して存在しているのですから。キュレーションアプリにしても、はてブのゲーム・アニメカテゴリにしても、それらまとめサイトの記事とゲームサイトの記事は並列で置いてありますし、Twitterでは同じようなゲームニュースとしてRTされているのですから。それこそ一般的なニュースと間違えてRTされてしまうように。

つまり一般的な、ちゃんとしているゲームメディアでさえ、それらに引きずられるように同一視され、一般の人に業界全体がそのような構造と思われてしまう危惧は、現状ではないとは言えないのではないでしょうか。

ゲームメディアからすれば「そんなバカなことはない」「あんなところと一緒にされるはずがない」とお思いの方は多いでしょう。ただ、これは私の意見としますが、原初アンダーグラウンドと呼ばれていた2ちゃんねるが今ではまとめサイトなどを通して表に浮き出てきてしまった今、十分に可能性はあり得ると思っています。特に今までのような経緯を知らない人にとっては。

ネットにおけるゲームメディアやゲーム情報の在り方について考え直す機会

今までゲーム業界は、この手のサイトではデマなども含めてかなり好き勝手に言われていたところがあります。それは、個人サイトと見なされていたこと、また対処するのに手間がかかり、放置するのが一番と思われていたところがあるでしょう。ただ、長年このような状態が個人、企業含めゲームのメディアで許容されていた状態が異例だったのかもしれません。それが今の状態なのですから。しかしこのままではゲーム情報の信用、ひいてはそこから流れるものによってゲーム業界までもそのようなものの影響を強く受けざるを得ないようになってしまう可能性があります。

ゲームを好きな子どもが、はじめてのネットで大好きなゲームのことを知りたいとって思って検索した結果見るものがはちまとかまとめサイトの罵詈雑言だったら、ゲームを面白さで好きになるでしょうか。

もう一度ネットにおけるゲーム情報の発信はどうあるべきか、業界からユーザーまで考えてみる必要があるのではないでしょうか。

追記(2016/4/30)

この記事に関して様々なご意見を頂きました。それを踏まえて幾つか追記、修正をさせていただきます。

まず、勢いで感情的方面に散らかりすぎ本質から外れているところがあったので、そのあたりを削りました(bizのあたりなど)。

また、大幅な本質が隠れてしまっていたので、そこを大幅追記しました。つまり、今の一般的ゲームメディア側に問題があるのではなく、時代の流れでかつての2chや2chまとめのようにこれらのサイトが一般化されてしまい、それがゲーム情報として同一に受け取られてしまう危険性がある。実際これからネットを見るゲーマーはそういったものを知っているとは限らないし、Twitter等から見れば一般の情報と同一化してしまう可能性もある。雑誌で言えばゴシップ誌と思っていたのに、いつのまにか周りがオピニオン週刊誌と見做していた、という状態。特にネットでは情報が並列なので。故に「そういうのとは違う!」ということをゲームメディアは明確に示してゆかないといけないのではないか、というものです。

この手のサイトは何か触れると意見が飛び交いますし、また、アクセスを与えないのが一番なので「ほっとけ、無視しろ」が最善といい、たしかにそういうものが効果的なところもありますが、長年見てきてそうは限らない、というのが私の意見です。

以下修正削除個所

・出だしのリンク。騒動のきっかけてではあったものの、この飲み会自体は個人と個人の問題と思っているので、本質から外さないようリンク外します。

・「企業である」ことを書きましたが、そこも問題の本質とずれそうな気がしたので、必用最低限に留めます。

・「信頼性にも波及する問題」項目の追記。本質と薄い部分をそちらに書き換え。

・GamesIndustry.biz Japan Editionの項目:こちらもGamesIndustry.biz Japan Editionの当事者の意図がわからない以上は推測の部分が多くなるので、外します。

・「ネットにおけるゲームメディアやゲーム情報の在り方について考え直す機会」項目部分修正

・ほか、細かい誤字脱字単語表現太字など訂正。