スポンサーリンク

任天堂が将来テレビゲームと携帯ゲームを捨てる可能性

いきなり驚くような(釣りのような)タイトルですが、別に現在業界トップを突っ走っている任天堂がゲーム作りを止めるという意味ではありません。あくまで「(据置型)テレビゲーム」や「携帯ゲーム」を作らなくなる可能性が、将来的にはあるのではないか、というお話です。

 

ことあるごとに言われているように、現在の任天堂には『横井哲学』とも言えるものがあります。それは有名な「枯れた技術の水平思考」。文字通り、ゲームにはすでに使い古されてコストが安くなった技術を新しい発想でゲームに利用して、安く提供するというもの。

■参考:任天堂 岩田聡社長インタビュー(1) マンマシンインターフェイスを直感的にすることがカギ

これと関連するもの、横井さんが任天堂在籍時に言っていたものがあります(ソースが見つからなかったのですが、たぶん何かの講演。似た趣旨のコメントがどこかにあれば情報求む)。

それは、おもちゃはある分野で躍進すると、競争相手がどんどん出てくる。そして高スペック争いになってくる。しかし任天堂はそこで高スペック争いに参加するのではなく、それなら別の娯楽を作り出して、その市場を作り出してしまった方がいいというもの。これはスーパーファミコン以前の任天堂にその精神があふれています。つまりウルトラハンドから始まり、ラブテスターとかテンビリオン、そしてゲーム&ウォッチが生み出された時代ですね。ファミコンの光線銃シリーズやロボットもそういう思想があったように思います。余談ですが、もし任天堂に横井さんがあれ以降もいた場合、十字キーをあっさりと捨てていたという可能性もあります。それは十字キーに変わる、次世代に最適化された(アナログキーとは別の)インターフェイスを生み出していた可能性があると思うので。

最近の任天堂は、その「枯れた技術の水平思考」がDSのタッチパネルやWiiのリモコンなどに現れているのは前述の通りです。しかし、これらはたしかに既存の据置型テレビゲーム機や携帯ゲーム機とは一線を画すものだったのは認めます。しかしながら、これらは新しくても、「テレビゲーム」「携帯ゲーム」の範疇に入るものなのですよね。よって、多少は他の競合機種と重なる要素はあったと思います。実際、Wiiは今でもPS3やX360と、そしてDSはPSPと比較されることが多いですしね。

 

さて、現在の市場ですが、最初の通り任天堂の一人勝ちとは言っても、DSのタッチパネルの勢いは落ち着き、Wiiも先日語りました。

そこでサプライズのインフレが起きている可能性は否定できません。いや、多くのものがそうであるようにいつかはわかりませんが、やがて飽きられる時代が来るでしょう。となると、その次には次世代の機種が生まれるのが世の常です。しかし、それの目新しさを出すのは、今までのテレビゲームや携帯機では不可能、という天井に到達する可能性もあるかもしれません。そこで、任天堂は、据置型テレビゲームでも携帯ゲームとも呼べない、全く新しいゲームを出してくる可能性というのもあるのではないでしょうか。そして、それは過去に例があるのです。その名は『バーチャルボーイ』。

 

このバーチャルボーイ、ハードの歴史の系統図で示すと、SFCからの据え置きの流れとは言いづらいです(SFCからなら、直接N64につながるだろうし)。かといって、携帯ハードの系譜とも違うでしょう。系統図で示すと、ぽつんとその流れから別のところに生まれた、ひとつの点となるのではないでしょうか。後には続かなかったものの、まさしくその系統の元祖である存在。

なんか失敗扱いされているバーチャルボーイですが、以前にも語りましたが、バーチャルボーイというのはその発想自体は決して悪いものではなく、ただ、当時の風潮(次世代機のスペック上昇によるもの)や売り方を失敗したので、黒歴史のように言われていると思うのですよ。ただ、この発想で今、売り方やソフトを徹底的に研究すれば、かなり売れるものになると思っています。

■参考:

バーチャルボーイを再評価してみる
任天堂のハズレハードとしてネタになりやすいバーチャルボーイ。たしかに色数が少ないとか、携帯機にしては何処でも出来るわけじゃないけど、家庭用としては物足りないなどいろいろマイナス点と言われている部分はありました。しかし、本当にこれがダメハード...

 

そのとき、横井哲学が生きていれば、限界に陥ったそれまでのテレビゲームや携帯ゲームの流れに沿ったものを捨てて、新しいゲームの概念、すなわちバーチャルボーイのように、今までの据置ハードや携帯ゲームの流れには属さないゲームを「新しい形のゲーム」として出してくる可能性は否定できないのではないでしょうか。それがどんなものかは、バーチャルボーイよりも予想できないですけど。

今の時点では「まさか」と思える話ですが、大流行したゲーム&ウォッチが、そしてLSIゲームがなくなってしまった今、現在あるような形のゲームも過去のものとされてしまう時代が来るのかもしれません。まあ、それも進化のひとつでしょう。そしてその時代、私はWiiやPS3、X360を押し入れから出してきてなつかしハードとして楽しむのでしょうね。

 

タイトルとURLをコピーしました