こんなニュースが。
まあ、これに関してはどうかわかりませんが、日本人ってなかなか「失敗」って言わないよなあと思ったり。
ただ、セカンドライフそのものは企業のアピールが長期的になされるという意味で発展したか、という点では成功したとは言えないでしょうが、全く別の見方をすると、成功とは言えないにせよ、あながち失敗したわけではないように見えてきました。
まずは、企業云々に関係なく楽しんでいるプレイヤー。これは別に、回りが過度の反応をしたせいで注目を浴びていますが、そんなのとは関係なく楽しんでいるのだったら満足と思っている方も多いでしょう。というか元々はそういうものだったはずなのですけどねえ。
そ
して、企業でも今の状況を「失敗」としていないところがあるのではないでしょうか。それは、今でも過疎化にきづいていないというわけではなく、もっと深いところで。
今まで、企業が盛り上がっているように見えない、そして盛り上がるための要素がいろいろ欠落しているセカンドライフに参入する理由はいろいろ言われてきました。ネット知識がない、電通に騙されているetcetc。ですが一方、それを企業もわかっていて、セカンドライフに参入しているというものも見受けられました。それは、(たとえセカンドライフが盛り上がらなくても、)参入したことを宣伝してくれるので、セカンドライフ本体よりそっちの方が宣伝になると言うもの。でも正直、私も以前はたとえそうだとしても「過疎状態のセカンドライフに参入することで、例え宣伝になっても自社のネット知識がないことを晒しているようなものじゃ……」と思ってあまりプラスには見ていませんでした。
しかし、さすがに日本の企業がそこまで無為無策だとは思いこみたくありません。ならば別の目的があるのではないか、とも思えたわけです。そして上のリンク先に、それの回答かもしれないものがあったように思えました。それは以下の部分。
はてなは2007年12月13日、「はてなワールド」β版を100人の会員限定で公開した。3次元仮想空間で自分のアバター(ネット上の分身)をつかって他人とコミュニケーションできるというものだ。また、伊藤忠商事、フジテレビ、産経新聞、イオンなどは仮想空間「meet-me」を展開するココアに出資し、07年12月中旬頃に「meet-me」α版が公開される見通しだ。国内企業の仮想空間サービス参入は過熱ぎみだ。
これを見ると、すでにセカンドライフ以外のサービスに着手している企業があります。ここで好評されていないものを合わせると、おそらくはまだ増えるでしょう。
前々から、ネットとかではセカンドライフの弱点が挙げられてきました。スペック要求高すぎ、1スペース50人の人員制限、そして作れるアバターが日本人好みではない等。しかし逆を言えば、それらが解消されればそれなりに面白いものも出来るのではないかということも言えるのではと。
実際、私もセカンドライフが任天堂のゲーム『どうぶつの森』みたいに、キャラがかわいくて要求スペックもDS程度、そしてゆるやかなコミュニケーションをとれるような感じであれば、セカンドライフみたいなコミュニケーションゲーム(ゲームというか微妙ですが)はそれなりにうまくいくのではないかと思っていました(ただ、任天堂はそういう分野を自社ハード以外でやりそうにないですが)。そして実際、上のように企業も同じようなものに注目しています。
ここで思いつくのは、もしかしたら企業は最初から「セカンドライフ」自体には期待していなかったのではないかということ。すなわち、セカンドライフそのものではなくて、その次にある、同じようなものに注目して、それを作り出す、もしくは上手に関わるためのスキルを手に入れるために、実験的に(これ自体は失敗してもいいものとして)セカンドライフに参入したのではないかと思えるわけです。
ですので、「meet-me」がどれほどのものになっているかは注目に値するものがあると思います。
ただ、懸念点もあります。それは「セカンドライフ」で、このような形のものに白けてしまった人が、新しい「meet-me」などのものにも参加するかということ。まあ、展開次第だとは思いますけどね。
こんなことを書いてきましたが、もちろんすべての企業がそんな目論見があったとは思いません。中には思ったほど発展せずに怒っている会社とかもあるかもしれませんし、「まあちょっとだけ目立ったからいいや」で終わっている会社もあるでしょう(そっちのほうが圧倒的多数の可能性もありますが)。
ま、mixiみたいにいきなり広がるものも出てくる可能性はあるので、この辺りはまだ見捨てるには早いかもしれません。