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99のフェードアウトと1のフェードイン

先日『斑鳩』の演出について書いたので、今日はその他の演出として『ダライアス外伝』について取り上げようと思ったのですが、これを説明するのにはまず「フェード」というものを説明する必要があるかなと思ったので、そこから書いてみようかなと。(知ってる方はとばし読みしてくださいませ)

最近はiTunesなどのプレイヤーにも当たり前に備え付けてあるので、「フェードアウト」(曲の終わりでだんだん小さくなっていく効果)、「フェードイン」(曲の初めで少ずつ宛音が上がっていく効果)をご存じの方も多いでしょう。(ちなみに、それらが入れ違うのが「クロスフェード」)

実は、ゲーム音楽というものは一曲できっちり終わるタイプ(先日紹介した『斑鳩』)でない限り、ほとんどはフェードインで終了しています(長さは違いますが)。

どうしてか、というのに答えるのは簡単で、曲というものは急ににぷっつり終わると「ん?」という違和感をプレイヤーに与えてしまうのですよ。

しかしフェードアウトにすると、ほとんど消えることを気にせずに曲を終えることが出来ます。これは手持ちのプレイヤーの■ボタンを押したときと、音量を下げていって消した時の差ですぐわかるでしょう。

ま、逆に突然止めることでプレイヤーをビックリさせて注目を集める、という方法も使われますが。(例えばそのあと無音になって、誰かが倒れたりしますな)

まあ、ループ前提のゲーム音楽はもちろん、普通のドラマ、映画、アニメでもフェードアウトは全然珍しくない、というかむしろ当たり前ですね。BGMが1曲全部流れずに曲の途中で終わるときなんかはほとんどこれでしょう。

 

では、これからが本題。フェードアウトの反対である「フェードイン」の使われ方は如何なものでしょう。

実はこれ、フェードアウトに比べればほとんど使われていません。というのは、自然に消えるフェードアウトとは逆に、フェードインを使うと、逆にプレイヤーに曲に対する意識を持たせすぎるのです。ですので効果的な場面しか使うことが出来ないのです。

例えば(って、ここでやっと当初出そうと思っていた話題)シューティングゲームの名作『ダライアス外伝』の最終ステージでは、面の途中まで全くBGMがなく、途中からフェードインでゆっくりと音楽が流れてくるという演出があります。それはとても幻想的で、ラスボスに向かう頃にはテンションが上がりまくりという効果的な演出となっています。

丁度あったので貼っておきます。

アドベンチャーなら『AIR』のヒロイン、観鈴が手を広げて登場する有名なシーンがありますが、あそこで「夏影」という曲がフェードインで入ってきます。それはかなり不思議な印象を受けてしまうものです。ここは登場シーンということでかなり効果が必要なところなので、このような演出が必要だったのでしょう。

あと、今サントラ聴いてみたら、エンディングテーマもフェードインですね。これもエンディングは一番力があるところってことで。

 

しかし、普通の流れるようなシーンでこれをやってしまうと、音楽の方が気になってしまい、流れが阻害されてしまいます。

故に、入りというのは基本的にぱっと始まり、フェードアウトで終わるというパターンがほとんどなのです。

ま、もし同人とかでゲームを作られる方がいらっしゃいましたら、そんなことに注意してみるのもいいかと。(まあそういうとこでは多くの方は知っておられると思いますが)

ついでに、フェードはそれなりに時間をかけないと、ぶつ切り停止に聞こえてしまいますので注意。
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★追記
一応、ここでいうフェードインは、ユーザーが認識できるレベルってことで。聴く人が気にならないほど短いフェードインなら、使われていることはあると思います。

 

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