「NAMCOのゲームミュージック」といえば、どんな曲を連想されますか?とはいえ、ナムコはゲーム業界において最も歴史が長いメーカーの一つですから、人によって『ドルアーガの塔』や『ニューラリーX』のような時代のFM音源だったり、またある人は『ミスタードリラー』『風のクロノア』や『もじぴったん』のような曲というふうに、それぞれ違うと思います。
私の場合ナムコサウンドとして一番に思いつくのは、90年代前半の『リッジレーサー』あたりのサウンドです。理由はおそらく、このへんの時期がナムコに限らずゲームを一番やっていたからでしょう。
90年代の代表的なナムコゲームというのがどのゲームを指すのか具体的に言えば、前述の『リッジレーサー』シリーズや『X-DAY』といったもの(ぶっちゃけ『鉄拳』を除けば体感ゲームが多いかも)、ゲーム音楽的に言ってしまえば、ビクターの「ナムコゲームサウンドエクスプレス」シリーズがリリースされていた時期かと思われます。
この時期のナムコアーケードゲームは当時同社に在籍していためがてん細江氏をはじめAYAさん、佐野電磁氏や相原氏といった方々が活躍されていました。それはテクノやハウスを基調にしている、それまでのゲーム音楽(特にアーケード)ではほとんどな見られかったジャンルを全面に押し出して、ノリの良さ、爽快感を演出するというものです。ちなみに『リッジレーサー』がPSのロンチタイトルとなり好評を博したのは、この音楽の効果も大きかったと思っています。あ、一応補足。めがてん氏たちはそれ以前(80年代)からもすばらしい音楽を作っていたのであしからず。
さて前置きが長くなりましたが、その前の時代と90年代ナムコミュージックの境目となる作品、と私が勝手に思っているのが、『F/A』というシューティングゲーム。
アーケードで1992年にリリースされた縦シューティングゲームですが、ナムコミュージアムでも(多分)未だに移植されていないのでご存じの方は少ないかもしれません。
ゲーム自体はスタンダードな縦シューで、ボタン2つ、対空ミサイルと対地ミサイルがあるゼビウスタイプ(ボムなし)でした。しかし、音楽は最初から全開です。イメージとしては、リッジレーサーシリーズの音楽がシューティングで流れているといっても、それほど遠くないでしょう。ノリまくりでゲームオーバーになるまで進行します。
今聞けば、そんな感じの音楽を使ったシューティングも珍しくはないのですが、当時はかなりインパクトがあり、「こんな音楽も(ゲームとして)アリなのか」と思いました。(ちなみに数年後、音楽の傾向は全く違いますが『ダライアス外伝』でも同じことを思いましたね)
ゲーム中では一応ステージごとに曲が変わるのですが、ほとんどノンストップで進みます。しかしつなぎ目でもあまり違和感なく移行してます。そんなわけで、私の場合サントラからMP3変換した音楽を全部つなげて40分強の1曲にしてたりします。
ちなみにサントラは他のナムコエクスプレス同様すでに新品では売っていないので、欲しい方は中古を探してください。
※2016/10/11追記:スーパースィープから、2014/10/31に『細江慎治 WORKS VOL.4 ~F/A~ 』として復刻しました。
細江慎治WORKS Vol.4~F/A~
しかし最近ではナムコ(というは大手はほとんどですが)がシューティングを作ることもなくなってしまったので、またなんか作って欲しいですね。
《曲目》
1. デザート・ストーム
2. φ1991
3. レイヴ・ウォー
4. ギヴ・ミー・トリップ
5. ビート・レジスタンス
6. ウォー・アート
7. ヘルハーモニー
8. ドライヴX
9. テイク・ドラスティック
10. ノーネーム
11. U.K.F.A.
12. F/A
13. タイム・ルーパー
14. ドント・タッチ・ユー