このブログ、始めた当初から話題にはしやすいのだけど、少し抑えていたゲームサントラネタがありました。それはプレミアのついているゲームサントラのこと。つまり、廃盤になった後で需要が増加し、中古価格がつり上がったものですね。前回書きましたが、このブログを始めた2005年当時はゲームサントラの価値がわりと広まった頃でもあり、中古屋のウインドウにはそのようなプレミアのついたゲームサントラが並べられていました。ま、もちろんそういったプレミア価格は絶対的なものではないのですが(参考:中古ゲームサントラのプレミア価格は、全てを信じない方がいいという話 – ゲームミュージックなブログ)。
じゃあ何故これらについてあまり書かなかったかというと、その「プレミアがついている」という情報を流すことによって、転売などで余計価格がつり上がり、純粋に音楽を聴きたい人の入手が困難になるのが嫌だったからというのが大きいです。まあ始めた当時はこんな個人の弱小ブログでそんなこと考えるの自意識過剰かなとも思っていましたが、さすがにゲーム音楽ブログとして休みつつも5年半も続けていると、多少は影響があるかなと思っているので、プレミアネタは抑えています。まあ他で調べればすぐわかるのですが、だからといってこっちから書く必要もないし。
ただ、近年ではとある条件でプレミアサントラの話題を扱うこともあります。その条件は、そのプレミアがついているサントラが再版などで入手が再び容易になった時。つまり入手が容易になったことで、プレミアが過去のものとなったものについては扱ってもいいかなと(あと、そんだけ貴重なものを再版してくれたという版元への感謝も込めて)。
そういうわけで、今日はそんな「過去にプレミア価格がついていたけど、現在は再版などで過去に比べて入手が容易になったゲームサントラ」をいくつか書いていこうと思います。
旧スクウェアの作品(『ベイグラントストーリー』『デュープリズム』『FFT』等)
PSへの参入から合併前あたりのスクウェアのサントラの多くは、子会社であるデジキューブから販売されていました。しかしデジキューブは破産。そしてCDも多くが廃盤となってしまい、入手できない時期が続きました。しかしスクウェアのゲームは音楽同様評価が高いため、需要が供給を上回るソフトが高騰(ものによって違いますが、だいたい定価+数千円くらい)しました。例として『ベイグラントストーリー』『デュープリズム』『ファイナルファンタジータクティクス』『クロノトリガー』『クロノ・クロス』など。だいたい数千円から一万円くらいの売値になっていたような気がします。
しかし、合併してスクウェアエニックスとなり、しばらくした後、FFシリーズをはじめとして、過去の作品の再版を積極的に行なうようになり、これらも再版されて新品で入手できるようになりました。
スクエニは現在もCD化されていないもののサントラ復刻に積極的なので嬉しいところです。
『プリンセスクラウン』
セガサターンで販売された名作アクションですが、サターン後期だったために出回りがそこそこでソフトがプレミア化。それにも増してサントラの数が少なかったため、異様に高騰してしまいました。専門中古屋のショーウインドウ価格ですが、数万円くらいになってました。
しかし今年になり、スーパースィープから再版されました。おそらくプレミアも収まっていることでしょう。
『蒼穹紅蓮隊』
ライジングが『ガトルガレッガ』の次に出したシューティングで、バトルガレッガのさんたるる氏の音楽同様、こちらも崎元仁氏のST-V的音源を駆使した音楽の人気が高いです。しかし、マイナーなレーベルだったせいもあり、すぐになくなりました。
実はこれ、どうしても欲しかったので、数年前に5000円くらいで中古で買ってしまいました。まあ今までの満足量と考えればいいか。
ちなみに同じライジング作品である『魔法大作戦』や『バトルガレッガ』も廃盤なのですが、比較的出回りが多く、サタコレも出ていて見つけやすいサターンソフトの『蒼穹紅蓮隊 御徳用』のサウンドモードで魔法、疾風魔法、ガレッガが聴け、且つCD-DAで収録されているので(ゲームソフトを専用ゲーム機以外で再生するのは機器に影響することがあるので素人には勧めませんが、わかる人なら)、聴くだけならそっちがいいかと(蒼穹紅蓮隊は一部の曲しかないですので念のため)。
『エスプレイド』
CAVEがアトラス販売で出した、『エスプガルーダ』に間接的に連なるシューティング。サントラもサイトロンから出ていたのですが、異様なプレミアになってしまいました。
しかし2008年、開発元であるCAVEが『ぐわんげ/エスプレイド』というカップリングのセットでサントラを復刻しましたので、鬼のようなプレミアは解消されました。
ご存じの方も多いようにCAVEはCDを販売するとき、一時期の通販で締め切るのですが、時々ネットや秋葉原で行なわれるCAVE祭りにおいて、それらが出ることもあるので、他の昔発売されたCAVEサントラも含め、欲しい方は出ているか、注目しておくべきでしょう。
※追記(2014/4/20):CAVEショップの閉鎖により、また入手が困難になっているようです。
『エストポリス伝記II』『カオスシード』
ネバーランドカンパニー制作のRPG2作。
これらも根強いファンがいるものの、サントラの出回りは非常に少なく、プレミア化していまいました。ショーウインドウ価格ですが、記憶では5万程度。一番値上がりしたもののひとつです。
しかし、このブログを始めて間もない頃、まず『エストポリス伝記II』の、ちょっと間を置いて『カオスシード』の再版がサイトロンからされることになります。(さらには『エナジーブレイカー』の販売も)。
当時の私の狂気乱舞っぷりは、昔のエントリーで。
■4月26日に『カオスシード サウンドトラック』が復刻発売!! – ゲームミュージックなブログ
ちなみに近年、スクウェアエニックスから、リメイクである『エストポリス』が出ましたね。
正当派RPGからアクションRPGと、すっかりシステムが変わってしまったゲームには言いたいことがある人もいるでしょうが、少なくとも昔の音楽を活かしているサントラは聞いて損はないかと。
※追記(2014/4/20):サイトロン発売のものは現在では相当品薄になっているようです。
『ソウルエッジ』『ソウルキャリバー』
前にも書きましたがこのシリーズのサントラはかなり不幸で、ソウルエッジ(メディアレモラス)、ソウルキャリバー(バンダイレコード)、ソウルキャリバーII(デジキューブ)と、出したところがなくなってしまうという目にあっていたのですよね。特に『ソウルキャリバー』は1万円超えのプレミア化となってしまいました。
だけどこのBOXでまとめて復活となりました。
ZUNTATAレーベル各種
ちょっと切り口が変わりますが。
タイトーZUNTATA製のCDは言うまでもなく人気があるものが多いですが、90年代に出たCDは、タイトーの色々な変動もあり、多くは廃盤となっています。
しかし近年、iTunesの配信で、ZUNTATAレコードのものが多くリリースされています。Gダライアス、レイストームなどの人気のものはもちろん、サーガイアなど過去リリースされていないものまで配信されているので注目です。
サントラは現物、というこだわりの人も多いでしょうが、少なくとも聴けるだけ嬉しいものです。
ここまできたら、旧サイトロン時代のものもいろいろお願いしたいものです。
『NiGHTS』『パンツァードラグーン』
サターンの名作として名高い『ナイツ』。独特のファンタージー世界を表現した美しい曲は人気がありましたが、サントラは早々に廃盤。そして6000~7000円くらいにまで高騰してしまいました。
そして『パンツァードラグーン』もサターンの3Dシューティングで、その世界観と音楽がファンを惹きつけ、シリーズ化することになります。これもサントラが出ていましたが、早々になくなってしまった感じでした。
しかし、セガストア専売ですが、復刻されたものがしっかり入手できたりします。同じく『パンツァードラグーン』や『バーチャロン』も同じく入手可能なので、これらが欲しい人はセガストアを覗いてみてはいかがでしょうか。
再版されたらすぐに買え!じゃないとすぐになくなるので
ほかにもいろいろとあるのですが、とりあえずこのくらいで。
このように、いろいろな方面の努力によって色々再版されています(しかし最近、ふと復刻サントラを買うと、なんか後ろのスタッフに知っている名前をいろいろ見つけることが)。
でも、再版されたサントラでも、再び廃盤となりまた価格が上昇することが多々あります。上で書いたものでもすでに『PROJECT SOUL』のように再び新品市場からは消えつつあるものもあります。他にも最初に言ったように具体名は伏せますが、再版後にまた高騰したものも多々あります。
ゲームサントラは非常に流通が少ないものが多いので、いつまでもある、ということはありません。あとで買おうと思っていると、すぐになくなってしまうことも多々あります(昔は私も何度もそれで泣きを見ました)。
つまり、結論としては「欲しいサントラは見つけたら新品のうちに買っておけ」ということで。一期一会の精神で。