前回(『PRESS START 2008』レポート(前編))の続きになります。
休憩後の第2部から。
まず、最初に流れたのは『バテン・カイトス』より「光星煌めく旅路の果てへ」。はっきり言えば、知名度は他のものに比べてかなり低い曲だとは思うのですよ。しかしそこはこの作曲が桜庭統さんということで、クラシックに馴染むと。ちなみに桜庭さんもその後登場しましたが、自ら喋るのが苦手と仰っていた通りで、司会の方の振りにちょっと困った感じでした(というか、他の企画者、特に植松さんの喋りが上手いから目立つってのもあるのですが)。
お次は『Touch! Generations メドレー』。脳トレ→nintendogs→大人の常識力トレーニング→ことばのパズルもじぴったんWii→Wiiでやわらかあたま塾→もっとえいご漬け→しゃべる!DSお料理ナビ→Wii Fit→Wii Sportsというメドレー。これはうまかったと思います。というのは、あとのMCでも言っておられましたが、これらの曲ってゲームの邪魔をしない、目立たない「陰」のゲーム音楽である必要があるのですよね。しかし今回の編成では、それをうまくつなげて、平凡ではない心地よい音楽にしていたと感じます。それに売り上げで言えば、これらはかなり多くの人がプレイして、音楽も耳にしているゲームですしね。ちなみに今クラブニンテンドーで引き換えが始まるCDは、これらの多くが収録されているようです。
■参考:クラブニンテンドーに新商品に『Touch! Generations サウンドトラック』が!
お次は『イース』。これは2006年にやったものと同じ。正確にはイースIとIIの曲から編成されています。これもファルコムから既にクラシックコンサートCD等が出ている定番ですが、定番ということはそれだけ聴ける出来になっているということで、やっぱり良い。特に2のタイトル曲は痺れますね。しかし、パンフでもコメントでも、「古代さん」の名前はやっぱ出せないのかな、というのはみんなが思っていたところかも。
ともかく、これは毎年やってもいいくらいのものだと個人的には思います。
次は『レイトン教授と不思議な町』。なるほど、これで来たかという感じです。これもTouch! Generationsに近く、あまり曲がゲームを邪魔しないタイプの作り。でも、結構穏やかに聴けましたね。ちなみにこのサントラ、出して欲しいのですけどねえ。
さて、次は前に『PRESS START 2008で『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』をやるらしいけど、まさか…… 』でも書きましたが、『ロックマン2』。ある意味今まではアクションなノリの良い音楽より、クラシック系のものが多かったので落ち着いていましたが、一気に目が覚める感じ。でもこれ、ニコニコの影響かもしれませんが、ライブ向きでクラシックでどうなるのか心配していました。ただ、各ボスのテーマ(たしかウッドマン→エアーマン→クラッシュマン→Dr.ワイリーだったかな)をそれぞれの特長を生かして演奏されているので、かなり良い感じでした。つか、聴いていた人の中にはニコニコの影響ではなくても、ワイリーステージ曲で身体が震えた人もかなりいるかなと。あ、当然ですが歌はありませんので念のため。
プログラムのトリは『ファイナルファンタジーIX』より「Melodies of Life」。歌は白鳥英美子さん。あのエンディングの歌曲ですね。つかこれはFF9のラスト自体がオペラ的な感じなので、合わないはずはないと。そのまま綺麗に流れ、幕……ではなくてアンコールが当然あります。
ここで最初のパンフの協力にあったセガの曲がまだないのに気づきます。そしてアンコール1曲目で出てきたのは、やっぱりセガ、それも代表曲とも言える『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のメドレー。ここで来たか、という感じです。でもこれもこの前の『スマブラX』で流れていたし、ちょうどよいタイミングだったのかも。無論、当時からのゲーマーとしては大喜びの逸品。
どうでもいいけど、アーケードゲーマーにとってはこの音楽、メガドラだけではなくてUFOキャッチャーからも流れる音楽なので、染みつくように頭に残っているのですよね。
そしていよいよラストの曲は、『クロノ・トリガー』&『クロノ・クロス』。ここで客席の一番前に座っていた光田さんがステージに。そんなところにいたんか。ともあれ、氏の初期代表曲とも言えるもののメドレー。おそらくこれがいつか流れることを期待していた人も多いのではないでしょうか。これもまた、トリを飾るにふさわしいものでした。つか、クロノひさしぶりにやりたくなった。そしてここで終了。
かなり短く感じたのですが、時間やプログラム自体はいつもより長いくらいだったのですよね。
さて、総評ですが、個人的にはかなり良かった感じです。去年より狭いけど音響がよい会場でやったこともありますが、今回はクラシック重視の2006年に戻ったこと。そしてその上でいろいろと工夫していたことで、なかなか満足できるものだったと思います。
考えてみると、ライブ風のものは、どうしてもライブならではの空間パワーに負けてしまうのですよね。それは昨年のコンサート以降、実際に行ったライブでそう感じました(クラシック会場でジャンプしたり出来ないしね)。なら最近はEXTRAとかまたゲーム音楽ライブが復活してきましたし、そういったものはライブに任せるとして、クラシックはクラシックしか出来ないことをやったほうがいいのかもと(別にライブ開催してくれれば、それは歓迎します)。まあ、それに乗っ取って、今回のワイルドアームズみたいにいろいろ工夫を施してくれるのだったら、それは歓迎。
あえて個人として残念なことを言えば、アーケード音楽がほとんどなかったこと(サムスピ&ニンジャウォーリアーズくらい)。あとシューティングも全滅でしたね(植松メドレーで部分的に混じったくらい)。あと、コナミの音楽も全くなかったですが、これは権利関係の都合? とはいえ、新旧では非常にバランスが取れていて、且つ多くの人が満足できるものだったと思います。
来年もやってほしいですが、そろそろネタが切れてきているのかもしれません。ただ、いくらでもあると思うのですよね。『タクティクスオウガ』『ファイナルファンタジータクティクス』『ベイグラントストーリー』だってそうですし、『ソウルエッジ』シリーズももクラシックと相性良さそう。それになんといっても『レイディアントシルバーガン』や『斑鳩』は(例え一般的な知名度は低くても)やってほしいですし。あと、本編でも言ってましたが『グランディア』『ルナ』なんてのもまだですよね。(個人的には『天地創造』とか押したいのですが、古いし知名度低いからなあ……)
ともかく、来年以降も期待したいと思います。