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何故、コンシューマーハードではユーザー制作ゲームが殆ど配信されないか

 ネット上には多数の一般ユーザーが制作したフリーゲームがあります。そしてその中には、コンシューマ顔負けレベルというのも多数存在します。あとは、パッケージでも同人ゲームでもハイレベルなものが出されることがありますよね。
 さて、各種コンシューマハードにネットも普及した今、そこでフリーソフトの発想を生かせばいいのではないか、すなわち、ユーザーにゲームを作らせて、公開させればそのハードが賑わうのではないかと思う方もいると思います。特にソフト不足で悩んでいる折、これがあればかなり弾が出せ、ソフト不足も解消できるのに、と。しかし、それらしきものが行われているのは現在X-BOX360のMS LIVEのごく一部くらいで、実現には至っていません。それは何故か。答えはハードメーカーがそれをやるメリットよりデメリットのほうが大きいからだと思います。
 そのデメリットはいろいろ考えられますが、一番はそれによる採算の収支がとれる見込みが現在ではないということ。
 フリーや同人ゲームは色々あるといっても、ほとんどの場合は個人、もしくは少人数で作成しており、かかる費用もメーカー製のそれに比べてはるかにローコストです。その分、内容的には面白いものでも規模は小さいものとなりますので、現在の市場としてフル価格、つまり5800円とかで納得してもらえるようなものはあまり出せないと思うのですよね。実際、そうったユーザー制作ゲームはネットではほとんどフリーですし、同人ゲームでも2~3000円程度のものが多いように見受けられます。となると、その分ハードメーカーに入ってくる収益が減るわけですよね。特にフリーなんてゼロでしょうし。
 まあ、それでもあったほうがいいじゃんと言う人もいるでしょうが、そうすると逆に既存の高価格ソフトを潰してしまう可能性があるのですよね。(まあ、値段に見合った品質のソフトを出せなかったと言われればそれまででしょうが)。
 さらに、ゲームハードから出す場合、現在では何らかの「審査」が必要になりますが、それをフリーソフトのやれるのか、という話にもなります。
 現在、ネット上にあるフリーソフトはたとえ出来が悪かろうと不具合があろうと、その責任が無料と言うことで免除されることが多いでしょう(明らかに悪意がある場合は別ですが)。しかし、ハードメーカーからゲームを出す場合は、たとえフリーであろうとも、それはハードにも責任が伴ってきます。故に、フリーと同じものを出して不具合、特にハードや他の周辺機器に被害を及ぼすようなものを見つけた場合、そのハードメーカーが責任を被らなければいけない可能性もあります。
 で、その審査をやってまで、それらを出す必要があるのか、となると疑問でしょう。
 つまり、パソコンとは違って、コンシューマには枷があるのですよね。それは「責任」という名の枷。その「責任」を背負ってまでユーザー制作ゲームを出すメリットが、コンシューマーハードにはないのかなと。そう考えると、PCのフリーソフトてのはハードメーカーもOSメーカーもソフト(フリーなもの)に対して責任をあまり負わないが故に、発展してきた文化だと言えるかもしれません。
 とはいえ、コンシューマハードメーカーも「ゲームやろうぜ」みたいなクリエイターの募集をしてゲームを作る企画や、コンシューマハードとはちょっと違いますが、自作ゲームを考慮に入れたハード(「P/ECE」とか)もありましたから、素人のアイディアをとりあげたい思惑はあるとは思うのですよね。それをハードメーカーとしてうまく応用できるか、というのは、それこそPSの時からの課題なのかもしれません。

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