本日のニュースによると、ゲーム音楽作曲者のBrad Fuller氏が亡くなられたようです。
Brad Fuller氏は日本ではなじみが薄い名前かもしれませんが、1980年前後というビデオゲームの黎明期からゲーム音楽の作曲をされていた方。主にアタリやテンゲン作品のゲーム音楽作曲をされており、その中にはテンゲン版テトリスやAtari800版ドンキーコングも含まれています。
ただこのニュースは国内でもあちこちのゲーム系ニュースサイトで報道されておりますが、どうも『テトリス』『ドンキーコング』という名前が先行して、勘違いしているのではというものも見受けられました。つまり日本でのテトリスやドンキーコングの音楽と勘違いしている感じ。しかし、正確にはBrad Fuller氏が担当したのはアタリ版のドンキーコングやテンゲン版のテトリスになります。
Atari 800 / moparx
アタリ版『ドンキーコング』と『テトリス』
『ドンキーコング』はAtari800版のもので正確にはアレンジとなりますでしょうか(まあ当時のハード直属なゲーム音楽作曲方法からするとアレンジとも違いますが)。ちなみにAC版は任天堂の兼岡行男氏。
あと、テトリスはテンゲン版の作曲ですね。
テトリス周辺はいろいろなことがあり、多くのバリエーションが存在します。そのうち海外のアーケード版はアタリ子会社のテンゲンが出したものが流通していたのですが、それになります(日本はセガ版が大半)。
■参考:
この作品はファミコン版のテトリスが出る前なのですが(両方とも1988年)、もうすでにコロブチカなどロシア民謡のアレンジという後のテトリスに広く使われる曲が出来上がっていたのですね。
日本ではニュースの反応で、アーケード版テトリスというのでここで勘違いしている人が見受けられましたが、あちらはセガで、作曲は川上泰弘氏です。
歴代アタリゲーム
このブログなのでもうちょっとコアな名前を挙げるとすれば、マーブルマッドネスやクラックス、スーパースプリントなど、アタリ(テンゲン)ゲーを代表するようなものも氏の作曲。
以下名作マーブルマッドネス。
スーパースプリント。
といったもの。
ちなみ自分は当時アタリとナムコが提携していて、アタリのゲームがナムコ名義でゲーセンに入っていたので、そういうのをプレイしてました。
なんというか、イメージだけでも洋ゲーというか、アタリ系の作品というのがその硬派さでわかる感じなのですよね。決して「残虐行為手当」「コインいっこいれる」的アレな日本語訳からではなく。
しかしこうして思い返すと、だいぶ昔のゲームに感じますね。まあたしかに20年は前のゲームなのですけど。
ゲーム業界は今まではまだ若く、ゲーム音楽作曲者でも訃報を聞く機会は本当に早逝と言える方しかおりませんでしたが、もう30年以上の歴史を重ねてこういった訃報が聞こえてくるようになるのですね。歴史を積み重ね、発展が嬉しい反面、こういう悲しい面もあります。
R.I.P.