10/25日に、同人音楽系即売会のM3が開催されます。
音楽CD市場が縮小した現在、握手券とか特典の絡まないものにおいては、日本でも有数の音楽CD市場になっている感じさえします。
さて、M2については以前、2002年秋のカタログが出てきた折にそれでエントリーを書きました。
ですがこれ以外にもいくつかかつてのM3カタログが出てきたので、せっかくのタイミングということでちょっと写真を交えつつ簡単な歴史を振り返って見ることにします。
M3-2002年秋
2002年10月27日。会場は浅草橋の東京卸商センター3F。
これについては前述のエントリーで書いたのでそちらを。
ニコニコ動画どころか東方アレンジでさえない時代です。主流はFM音源などレトロ音源のもの多し。媒体もCD-R中心でフロッピー配布もあったような時代です。全サークルの試聴をして回るのも十分可能でした。
M3-2006年秋
2006年10月9日。会場は大田区産業プラザPiOの大展示ホール1つ。Pioへの移転自体はすでに数年前になされていましたが、規模がその度広まっていった感じ。
この頃はまだニコニコ動画が誕生する前の時代。東方アレンジが目立ち始めてきた、という頃でしょうか。
他にもオリジナル同人音楽の歌い手がすでに確立していたり、コンシューマやアーケードのゲームアレンジがあったり、葉鍵系同人音楽が根強く残っていたり、相変わらずレトロ音源でのものがあったりと、ジャンルがわりと偏らずに広く存在している感じ。
この頃からDTMの音源だけではなく、楽器などの生音や、ボーカル、そしてドラマCDなど声を収録するものが増えていったのも特徴的です。技術の進歩や場の広がりによるところが大きいのでしょうね。
M3-2008年春
2008年5月11日。会場は大田区産業プラザPiOの大小展示ホールと会議室。
この時実際に行ったのですけど、その感想は「えっ?なんであのM3がこんな混んでるの?」というくらい混んでました。今まで東京卸商センターやその前のPio時代のイメージがあったので尚更。
時代にするとちょうどニコニコ動画が登場して1年経ち、東方アレンジに加えてボーカロイドが注目され、さらに今までの同人音楽ボーカリストもより目立つ存在となり、さらに新しい人たちも加わってきて、一気に注目度が上がった感じです。今の有名人も新しく参加した感じのところがわりと。
そのかわり一時代を築いたギャルゲーアレンジが急激に減ってきた印象。ただ根強く残っているハード音源系ジャンルは相変わらず(そして今に至るまで安定してる感じで)。
M3-2010年春
2010年5月5日。東京流通センター。2ホール。Pio→横浜港大さん橋ホールときてここ。今でも続く会場の初回。たしかこの時、あまりの混雑で入場規制がかかって、カタログ完売で買えなかった人が入れなかったような記憶が。
ボーカロイド、東方、そして歌い手の登場とニコニコ動画の文化と同人音楽の文化が最高潮の時で、且つ既存のボーカリストもプロ(アニメやゲームなど)に進出するなど知名度が上がってきたこともあり、一気に爆発したという感じでしょうか。
ちなみにカタログも今までどんどん厚くなる傾向でしたが、この時のカタログのページ数は2008年の約二倍に膨れあがっています(広告の増加もありますが)。それのせいか2010年秋には紙質が薄いものに変わっていました。
M3-2012年春
2012年4月30日。東京流通センター。とうとう第一展示場と第二展示場両方を使うように。
傾向についてはもう最近のことなのでだいたい今に通じてる感じ(とはいってももう3年も前なのか)。企業の出展も多くなってきました。
サークルカットが小さくなってますね。それだけ増えたということでしょう。
同人音楽の即売会というか、もっと広い範囲の音楽の祭典的に発展した感じがありますね。ただ最新のものだけではなく、大昔からのチップチューンとかアレンジも残しているのがいい感じ。というか、何となく数年前に比べてそういうレトロ系が増えているような。一周した感じというか。
そして今年もさらにその先も
そんな感じで今年も開催されるM3。こうしてみると結構流行廃りとか変遷があったりしますね。流れとしてはそろそろ新しい傾向が生まれても不思議ではありません。そういった動向もまたおもしろいので見守ってゆきたい感じです。数年後にはどんな感じになっているのでしょうか。