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スーパーマリオはキノコを「食べて」はいないという話

いまやゲームをする人で知らない人の方が珍しいと思える任天堂の代表作『スーパーマリオ』。とはいってもこれの初代をリアルタイムでプレイされてない人というのも多くなってきたのかもしれません。1985年9月13日発売ですから、現在22歳未満の人は生まれてませんし。

さて、スーパーマリオのパワーアップ方法ももちろん有名です。まあシリーズによって変化はしていますが、基本的にキノコを取って大きくなるのと、スターを取って無敵というのだけは共通しています。で、これのことをよく「キノコを食べると~」と言う人は多いですよね。というか、当時の(任天堂から出たモノではない)攻略本や紹介記事にも「キノコを食べる」って表現は使われてますし。

ですが、初代スーパーマリオの時に私たちが説明書や雑誌で見たストーリーでは、「平和なキノコ王国のピーチ姫がクッパにさらわれた。そして国民であるキノコたちはブロックに閉じこめられてしまった」というものでした。そして「マリオが救出するとパワーを与えてくれる」ということで、巨大化なりファイアーボールを出せるようにとなったはずです。(ちょっとこのへん、当時の説明書がないのでうろ覚えなのですが……)

ってことは……文字通りキノコを「食べる」となると、せっかく助けたその国の国民を喰うってことで、そのキノコは自己犠牲の鑑みたいになってしまいます。(それを喰うマリオの葛藤!とかだと話がまたとんでもない方向に行きそうな)

 

……まあ冗談はさておき、実際説明書では「食べる」みたいな表現はなかったはずです。たしか「助け出されたお礼に、パワーを与えてくれる」みたいな感じだったと。とりあえず家にあったシリーズの説明書(64マリオ、DSニューマリオ等)を見てみた限り、「食べる」という表現はなくて、「とる」でしたね。

まあおそらく、「キノコ=食べる」ってイメージが強かったために、そのままイメージが定着してしまったんでしょうね。そういえば当時小学生だった私のクラスでもみんな「食べる」と言っていたような気がしますし。
で、せっかくなんで当時の記事を調べてみようと思い、本棚の奥から引っ張り出してきたのがこの攻略本系書籍の名著『ファミコン神拳奥義大全書』。

ファミコン神拳奥義大全書
まあ今みたいな攻略本というよりは、裏技紹介系の本と言った方が正しいかも。
ご存じの方も多いと思いますが、この本、当時「ポートピア連続殺人事件」を出したばかりのほりいゆうじ氏がライターをしており、ここからドラクエの先行記事が紹介されておりました。まあそれの関係で、「ポートピア連続殺人事件」の紹介記事が多いです。

 

で、この中にはスーパーマリオの紹介&簡易攻略記事もあるのですが、そこでの記事。

ファミコン神拳奥義大全書』集英社・P34

ファミコン神拳奥義大全書』集英社・P34

なんとオフィシャルにわりと近いと思っていたこの記事でも「キノコを食べるとマリオはみるみる巨大化するぜ~」と「食べる」が明記されてしまっていたりします。
まあ、前述のようにあまりにも「キノコ=食べる」イメージが強すぎたということなのでしょうね。

 

そういうわけで今でもよく「食べる」と言われているスーパーマリオのキノコですが、実際は食べてはいないのでキノコ国の国民全員安心ファンタジーということで。

……あれ?でもそうなるとディスクシステムの『スーパーマリオブラザーズ2』の「毒キノコ」って、何でとるとミスになるんだろう??(負のパワーをもらっているということかな?)

 

◇追記:家になかったスーパーマリオの説明書ですが、検索してたらやっぱり食べるという表現はなくて、助ける→パワーをもらうみたいです。

◇追記2(2017/3/8):ニンテンドークラシックミニのページにおいて、当時の説明書(とほぼ同じもの)が公開されています。

ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 説明書 | 任天堂
ニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータの説明書をダウンロードいただけます。

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