今日は昔聞いた話をもとにして書いてみようと思います。但し、あくまで聞きかじりの話と私の予測で書かれており、ウラをとっていないために信憑性の保証は出来ませんので、あくまで話半分に読んでいただければと思います。
最近、かなり増えてきたゲーム(コンシューマーゲーム、ギャルゲー問わず)のアニメ移植ですが、ほとんどのものに関しては、ゲームの音楽がアニメの中で使われることはありません。これはどうしてでしょうか?
それは、ゲーム音楽の場合、ほとんどがJASRACなどの著作権管理団体に登録をしていないので、アニメして使われる場合は著作権管理の手続きがゲーム会社とアニメ制作委員会の間で、かなり面倒なことになってしまうというのが主因としてあるという話です。
もちろんその音楽自体JASRACなどに登録してしまえばいいと考えられる方もおられるでしょう。しかし、一度登録してしまうと、自社で音楽を使う場合も管理料を払わなくてはいけないというのが原則みたいです。つまり、続編で同じ音楽を使いたい時も、一度管理団体で自分で使うという申請をしてからじゃないと使えないということ。ま、単純に考えれば管理団体に納める分、利益が減るということですね。
さらにJASRACでの作詞作曲者の登録というのは、原則的に法人では不可能であり、個人、もしくは複数の個人(バンド、ユニット名など)でしか出来ないということも一因みたいです。
著作者との著作権譲渡契約があれば、法人でも著作権料を受け取れますが、それでも音楽を制作した社員が次に使うときにはメーカーを辞めてしまっているということもゲーム業界ではよくあることです。すると著作権譲渡契約があって金銭的な面では(会社側にとって)いいとしても、作詞作曲者名はその辞めた社員の名前で表示をしなくてはいけないということになるということですね。(このへん、JASRACのHPなどあちこちのサイトを参考にしながら書きましたが、間違えていたら指摘願います)
そういう制約を受けるくらいなら最初から登録しないということで、ゲーム音楽でのJASRAC登録曲はわりと少ないのでしょう。ですから、アニメ化する場合もJASRAC登録は上記の理由によりしたくない、それならアニメ専用の曲を作ってしまった方が早いというわけですね。
最近ではゲーム専用の曲でも、主題歌をあらかじめ登録している場合も増えてますけどね。それは登録したほうがメリットが大きいと制作会社サイドが判断したからでしょう。
さて、それとは別に、アニメで新規曲を使う理由としてはこんな話も聞いたことがあります。それは『新しく曲を作った方が儲かるから』。
まあ、言われればある意味(企業としては)当然とも思えます。つまり熱心なファンならゲームのサントラだけではなくそっちも買いますから、その分の売り上げが立つわけですね。
それ以外にも、こんな話もあります。主題歌クラスの場合、制作委員会所属の企業がアーティスト事務所とアニメ制作の間で調整をする必要があるわけですが、その間に中間的な仕事が発生しますので、そこでの作業をするところ(まあ主に代理店とか)の収入が増えるという話。
でもフォローでもないですが、現実的にその中間搾取が主な目的かというとちょいと違うかなと(まあケースバイケースでしょうが)。
もちろん会社事業である以上利益は得たいでしょうが現実的には、やはり登録の凡雑さよりは新規で作った方が早いしサントラが出せるってのが一番の理由のように思えます。
あと、制作的な面からいえば、やはりアニメに合う音楽とゲームに合う音楽って違うと思いますし(ゲームではループが許されるけど、アニメではあまりループさせるのを聞いたことがない)
でも、最近では『Air』などゲームをもとにしたアニメでも、ゲームと同じ音楽が使われていたりしているようですし、まあ結果的にはそのアニメのイメージを最大限に生かす音楽がよいのではないでしょうか、と綺麗に落として今日はこれまで。