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20年前から続いているゲーセンのインカム問題とコインの束縛

このようなニュースが。

■【ゲーセン】渋谷タイトーステーション、1プレイを100円→120円に値上げ (リンク切れ)

う~ん……個人的にも「これはダメだろ」とは思います。ゲーセンのゲームってのは、100円玉を入れるだけで手軽にやれるのがよいところなのに、そこに10円玉を持ってきたらわずらわしくてしょうがないのではないかと。それでも郊外の小さなゲーセンみたいに50円玉一枚というなら特ですしよいのですが、さすがに高い方向に2枚となると誰もやらなくなってしまうのではないかと。
しかもこれはヘビーユーザーだけではなく、ライトユーザーにも言えます、というか、そっちのほうがやらなくなる確率は大きいです。だって、必ずしも10円玉が財布の中に入っているとは限りませんしだからといって10円玉に両替してまでやるとなるとかなり心理的に障壁があるでしょう。それは金銭的な問題というよりは、財布の中が10円玉でかさばるので。
よく、ワンコインで買い物が出来る店が昔から人気が出たりしますが、それらは安さではなく、利便性の問題もあると思われます。

とはいっても、ゲーセンがインカム(収入)的に苦しいというのは、だいぶ前から言われていたことなのですよね。

ゲーセンのインカム問題

たしかにここ数年、ゲームセンター業界全体を救うような大きなヒット、例えば格闘ゲームやらプリクラやらは生まれていません。しかも、そこそこ人気のあるゲームはその筐体価格が高騰し、1000万レベルのものもあるようです。昔のビデオゲームの基板価格が20~30万(バーチャあたりは100万くらい)だったということなので、この負担はゲーセン側に重くのしかかっているでしょう。

さらには客離れも深刻です。ライトユーザーは言わずもがな、ゲーマーでさえ最近はお目当てがなければ行かない感じですし。かく言う私自身も昔のように「行けば何かするものがある」というのではなくなってしまいましたし(特にビデオゲーム衰退後は)。それに家庭用ゲームやその他娯楽が増えすぎたことによる競争もありますよね(ちなみにライトユーザーで昔ゲーセン仁行っていた人の多くは、携帯に流れたのかもと思ったり)。それを手放さないために大変なのでしょう。

ただ、このニュースにあるところと値上げしたところは同じところなのですよね。これは客離れを覚悟しなければならないほど苦しいのでしょうか(たしかに渋谷駅前の一等地だしなあ、あそこ)。

 

長年「1コイン」から離れられないゲーセンとインカム対策

しかし、この問題は最近になって生まれたわけではないのですよね。おそらくは20年前にはもう似た問題は発生していたのではないかと思います。というのは前述のようにゲームセンターのゲームは100円(1コイン)という鉄則から、インベーダー時代以降逃れられないというものがあると思うのですよ。それは前述のように「ワンコインであることの価値」というものがずっとここに存在し、それが当たり前のようになってしまっているので。

ただ、アーケード業界も20年前からずっとそうではなく、いろいろと対策はしてきたのですよね。その例をちょっと挙げてゆきます。

永久ループの廃止

80年代前半のゲームでは、一人が何時間もやり続けることのできるゲームがかなり存在しました。例えば『ドルアーガの塔』や『グラディウス』なんてのは、一人が延々とそれこと開店から閉店までやり続けることが可能でした。しかしそうなるとその日のそのゲームにおける店のインカムは100円。これでは大損です。故にそれ以降のゲームでは、永久的にプレイできるものというのはほぼ壊滅しました。

格闘ゲーム対戦台

90年代前後に、格闘ゲームが大ブームを起こします。ここで「対戦型」というスタイルが大流行し、ゲーセンもそれ用に筐体を向かい合わせた対戦台をどんどん作り出します。
これは客にとっては知らない無数の相手と遊べて腕が競える利点があり、そして店にとっては必ずどっちかのプレイヤーは数分で負け、新しいプレイヤーがコインを入れてくれるので収入に繋がるという喜ばしいものでした。両者が望むという理想的な形だったのでしょう。しかし後になって腕の格差が生じ、弱いプレイヤーを離れさせてゆくという副作用が生まれてきます。

プレイ時間の短縮

格闘ゲーム以外でも、単価を高くできない分、プレイ時間を短くして回転数を上げることでインカムを高くするという手段がとられます。その結果、ゲームセンターのゲームの1コイン当たりのプレイ時間は短い、というか固定時間制になってゆきます。音ゲーを店が入れたのは、どんな旨いプレイヤーでも必ず一定時間(3曲分)で終わるという点もあったのでしょう。
しかしその結果、シューティングなど時間が読めないゲームが減少して行きます(ちなみにその時間減少を狙った『GダライアスVer.2』というのがコケてしまったという)。

プリペイド制度や後払い制

これはちょっとイレギュラーですが。一部のメーカー直営ゲーセンで、プリペイドカードの使用や後払い制というのが施行されていたことがあります(今でもあるかな?)。プリペイドカードはその通り、500円か1000円でテレカのようなカードを購入し、それをゲーセンで使う。後払いは退場時の清算。
私が1990年代後半にホームグラウンドにしていた新宿のタイトーインゲームワールドでは、このプリペイドカードがあったのが大きかったですね。これは500円で6回分のゲームが出来るので、1ゲーム当たり83円程度と割引になるのですよ(新宿MOREも同じカードを使っていた)。

ただ、こういったカード形式というのは「1つのゲーム機の価格を自由に設定できる」という利点があったのですよね。つまり100円のゲームの他に、150円のゲームも220円のゲームも設定できると。しかもユーザーに不便を感じさせず。
ただ、設備投資費が高くなってしまうせいか、あまり普及しなかったように感じます。

 

ゲーセンの今後

このようにいろいろな試行錯誤をしてきても、結局のところ「1ゲーム1コイン」の束縛からはなかなか逃れられていないのですね。最近でこそカードゲームで1ゲーム300円とかありますが、あれも大型の特殊なものであるというアドバンテージがあるからこそでしょう。

さて、これからアーケードゲーム業界はコストを削減するか、インカムを増やすかしなければ生き残れないのでしょうが、いよいよ触れざるを得なかった「1コイン」という常識に手を入れなければいけないところまできているのかもしれません。

 

2018年追記

これを書いたのが2009年とほぼ10年前でしたが、この後急速にゲーセンでもパセリなどの電子マネーが普及しましたね。しかも近年ではメーカーで統一的な規格を生み出そうという流れも。時代は変わるものですね。

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