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自社レーベルが主力になってきたゲームサントラ

日本のゲームミュージックサントラの販売方法には、大きく分けて2つのタイプがあります。ひとつは、ゲームメーカーがレーベルを立ち上げて、自社で開発したゲームの音楽をそこから出すタイプのもの。これはコナミ、セガ、タイトー(ZUNTATA)、カプコン(セルピュータ)、スクウェアエニックスなどですね。発売はそれぞれのメーカーですが、販売は自社でやる場合と他の会社に委託する場合の両方があります。
そしてもうひとつは、それ以外、つまり音楽レーベルが色々なメーカーのゲームをサントラ販売するタイプのものです。昔ならサイトロンレーベルやアポロン系列、そして今ならティームエンタテインメント系などですね。
その他規模は小さいですが自主通販によるものとかもありますね。(ただこっちは一般流通ではないですが)
一昔前……ファミコンやスーファミの時代には、自社のゲームであれど、そのサントラを自社で出す、というのは少数派でした。せいぜいコナミくらいで、スクエニも関連会社とはいえデジキューブやNTT出版に委託してました。
まあこの頃はゲームミュージックの認知度自体が低かったのに加えて、ゲームメーカーが本業以外にそういったレーベルを持つためのノウハウもなかったために、必然的にそれまで音楽出版を行っていたメーカーが請け負ったからでしょう。メーカーもグッズの一つとしてついでに出すような感覚であったのでしょうね(まあ現状も大差ないと場合もありますが)。
しかしながら、最近の発売リストを見ていると、発売はもっぱら前者のようなゲームメーカーが発売するもののほうが多く、逆に委託型は少数派となってしまったように感じます。
現在、委託型でゲームサントラを出している会社は、ティームエンタテインメントとハピネットの2社が大半ですが、ハピネットも昔に比べてゲームサントラの割合が激減しているように思えます。(あえてもう一つ加えるならキングレコードあたりでしょうか)
まあ美少女ゲームまで含めるとランティスやホビレコードなど大手のメーカーも出てきますが、市場の性質が微妙に違うので、今回は割愛します。
まあ、これはいろいろ原因が考えられますが、一番の理由はやはり「売れない」ことでしょうね。おそらく、CD全体に漂っているCD不況の影響と、それ以上にゲーム界におけるゲームが売れない現象の両方をかぶってしまったのだと思うのです。原則的にゲームを買わずにサントラを買う人はかなり少数と思われますし。
自社製の場合は制作費を超える売り上げがあればなんとかなりますが、依託の場合は制作費以外にもその権利元メーカーなどに支払うお金などのために採算分岐点が上がりますので、よほど話題を集めているゲームでないと、発売できなくなっているのでしょう。
しかも売れそうなゲームは、大手が独自レーベルを持っている分、対象物も減り、限られたものとなっています。ですので、こういった委託型のものはどんどん減っているのではないかと思います。
しかし、それでサイトロンが整理されて、ハピネットが業務を縮小しているのだとちょっと悲しいなあ……
たしかにメーカーが直接販売する場合、そのゲーム会社が生きている限り、リリースを続けられるという利点があります。廃盤になっても一応は再販の可能性がのこされているわけですしね。あと、権利関係が分散しないという利点もありますね。
しかし、原則としてその会社のゲーム作品史か販売しないので、枠が狭くなるのは言うまでもありません。
したがって、それらのレーベルを持っていない会社の作品は、たとえすばらしいものでもかなり出にくくなっているとも言えるわけです。もしこの傾向が強くなっているとすると、そうだとすると、かなり残念ですね。
委託型のレーベルからは、『世界樹の迷宮』のように、突然すばらしいサントラが出てくることが多々あるので、潰れないで頑張って欲しいと思う今日この頃です。
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◆追記
そのうち、とあるゲームメーカーの一つが、他のゲームメーカーのサントラ販売事業にまで(今までのような臨時的なものではなく)本格的に乗り出す、なんて可能性もありますね。(特にコナミやスクエニ当たり……というか、スクエニはまずエニックス系のレーベルを自社で売るようにしたほうが……と思います)

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