ここのところ忙しかったので、据置機を立ち上げられずに、DSかPSPばっかりやっていました。で、DSでは『リズム天国ゴールド』をやっていたのですが、最初はなめていたこれ、かなりよかった(あと共同担当の任天堂サウンドチームの米政美さんの曲もよかった)。もしつんく♂で引いているゲーマーの人がいたら、やってほしいです。
で、気に入ったゲームでは当然の如くサントラを買いました。それがこれ。
リズム天国ゴールド オリジナルサウンドトラック
これはGBAの『リズム天国』と『リズム天国ゴールド』がいっしょに収められているサントラで、3枚組のもの。しかしこれの特徴として驚くのは、 5,250円と、ゲームサントラにしてはかなり高額なこと。最初値段を見ないで注文してびっくりしました(というわけでこのエントリーも、ネタ代として消化するために書いている部分もあり)。まあ、すごい寛大に見れば、J-POPのCDでの3枚組価格と同じなのですけどね。まあ出してくれただけでも嬉しいと言うべきかもしれませんが。ともあれ、その内容はどうだったのか、書こうと思います。
まず、曲はゲームをしていた時ノレたように、いいものばっかりです。ゲームなしでも十分聴けるものです。ただ、このゲームをしてこのサントラを聴いた人は、多くの曲で違和感を覚えるかもしれません。それは何故か。ゲーム中の効果音があまり入っていないのですよね。
リズム天国ゴールドは、やった人ならわかるように音楽に対してリズムよく操作をすることで効果音を鳴らしてあわせる形です。つまりプレイヤーは音楽+効果音で聴くわけですが、このサントラに収録されているのはほとんどの場合音楽のみなのですよね(ただ、一部の曲にはリミックスとして効果音が収録されている)。たしかに音楽としては成立しているのですが、どうもプレイした人にとっては物足りなさを感じてしまうのですよね。特に『ウラオモテ』の「ハイハイハイ」がなかったり『しゅぎょうのテーマ』の「イーアルサンスー」がなかったりすると、拍子抜け感が強い。ありバージョンとなしバージョンになると曲数が倍近くなりそうですから、2ループ目は効果音有りとかでもよかったような気がします。まあ効果音有りの曲が聴きたかったらゲームをしろということかもしれませんが。
ただ、この問題は『リズム天国全曲集』に限らず、多くの音ゲーで抱えているのですよね。そして考えてゆくと、音ゲーと一口で言っても、いろいろな種類があることに気づかされます。
たとえばビーマニシリーズは、基本的にバックで流れる音楽と操作で出る音ではじめて完全な曲となります。そうなると、サントラでもその完全な曲を収録すればいいので、迷う要素は少ないでしょう(それでもフリープレイゾーンとかでは違和感を覚える人もいるかも)。しかし、『太鼓の達人』は、一応操作で出る太鼓の音が無くても、流れる音楽だけで一応成立しています。こうなると『リズム天国全曲集』と同じように、音楽だけで出せばいいのか、それとも太鼓の音も入れるべきなのかというのを考えなければいけないのではないでしょうか。たしか『太鼓の達人』のサントラは音楽のみだったような気がするので、前者を選んだのかも。
しかしもっと難しいのは『パラッパラッパー』のようなアドリブ要素が強いものです。これは個人個人によってプレイスタイル、つまり耳に聴こえてくる音楽も違うので、その音(パラッパならパラッパの声)を入れたものとしてCDを出せば、多くの人が違和感を覚える可能性があります。
やっぱりゲーム音楽というのはゲームで最適化されているというのを一番証明しているのが、この音ゲーかもしれません。
というわけで、音ゲーというのはそのままサントラで出せそうな気がしますが、こういった要素が多いので、案外普通のサントラよりも制作にはいろいろ苦労があるのかなと思います。
ちなみに『リズム天国全曲集』ですが、これに加えてリミックス版とか出してくるってことは……いや、それは全然構わないのですが、せめてもうちょっと安くして欲しいなあと思ったりします。
リズム天国ゴールド