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次世代のゲーム広告について考えてみる

 さて、こんなニュースが。
 ■スポンサー離れテレビ局の大不況。フジは制作費5%カット。視聴率の合格ラインは12%。高校以上はすでにテレビを見捨てている
 ああ、とうとう顕在化してきたな、というのが印象です。私の生活時間帯が妙なので、テレビが目に入るのは(集中して見ることはない)、昼か深夜なのですが、その時間の広告って、同じ会社(保険、薬、ハウスが多い)のが何回も流れるか、もしくは自社番組の宣伝だったりするのですよね。子どもの頃、同じ広告を見つけるとレア扱いしていた世代の人間からすると、だいぶ違和感を覚えていました。まあこれも時代の流れでしょうね。
 さてこのこと、ゲーム業界も多少なりとも影響があるでしょう。ゲームも長い間CMにその広告手段を頼ってきました。しかしこうなると、過去と同じようにテレビCMに出稿しても、効果が得られるとは限らなくなるわけです。しかし宣伝をしないわけにはいきませんから、別の広報手段が必要となるでしょう。では、そのCMに充当されていた広告はどこに行くか。
 一番思いつくのはゲーム雑誌でしょうが、現状維持はあれど、この出版不況の中、増えるとは思えません。となるとやはり、テレビの視聴者層が流れたと思われる携帯を含むネットにその広告が流れるのではないでしょうか。
 では、ネット上でどこの広告が主になるかというのを考えてみます。
 まずは自社サイト。なんといっても広告費がほとんどかかりません。しかし、興味のある人ならともかく、そこだけで多くの人に情報を伝えるのは限界があります。少なくとも、自社サイトに導く道筋が必要になります。
 そこで各種ポータルサイト(携帯ポータル含む)。今でもありますね。Yahoo!などの総合ポータルからゲームニュースのポータルまでバナーなどの形で出しているもの。また、希に記事の中にも広告記事などが混じっている場合もあります(まあこれは雑誌でもPR記事という形で昔からあったものですね)。
 そして個人サイト(ブログ)。バナーもあるでしょうが、アフィリエイト(というよりクチコミ広告みたいなものかな?)などを使っての広告が、将来的に大きくなる可能性もあるかもしれません。まあそれは個人の裁量でいいのですが(ある意味ブログの読み手への信頼を賭けているわけでもあるし)、問題は個人のフリをして自作自演で広告をする会社が出てくるということ。実際、海外では自作自演ブログがあったと話題になってしまいたね。
 これから先、ますます「嘘を嘘と見抜く力」がネット上で必要になってくるのかも。
 まあ、上のふたつはゲームに限らず他の製品でもよくある傾向なのですが、ゲームならではの新しい広報手段というのがあると考えます。それは『各ハードのネットポータル』、Wiiなら『みんなのニンテンドーチャンネル』みたいなもの。つまり、そのハードを持っていてネットにつなげば見られるものです。
 これ、なかなかバカに出来ません。たしかにそのハードを持っていない人は見られないので、ゲームハードの販売や、新規開拓には向かないですが、そうじゃなくて、ハードを持っている人に売りたい場合、これはすごい力となります。なんといったって、見る人のほぼ100%がハードを持っているのですから。つまり、目的とする顧客層にピンポイントに宣伝できるのです。広告の場合、CMを見る人が100万人いても絶対買わない層だったら無駄ですが、たとえ1万人でも、見た人のほとんどが対象となる層なら、そっちのほうが効力が大きいはずです。つまり、任天堂がここにCM枠を設けるとしたら、かなりの強みになる可能性があるのではないでしょうか。
 まあ、単純な映像だけでは視聴数が少なくなるので、何らかの工夫(例えば面白いコンテンツの中に挟むとか)が必要になるとは思います。その意味で今、一番注目度が高いと思うのは、PS3の『トロステーション』だと思うのですが、あれの過去ログも見られるようにして、そのかわりゲームのCMをはさむようになったら、それなりの収益を見込めるようになるかもしれませんね。
 極端な話、ゲームの力が大きくなれば、ほかのCMをもこういったポータル、そしてゲームの中に挟むようになる可能性もありますが、今のところそこまでの力はないかと(それだったらネット全体や携帯の法が強いし)。でも、数年後にはテレビで流れるゲームCMはなくなっている、ということはありえるでしょうね。少し寂しいですけど、まあこれも時代の流れでしょうね。まあ映像の広告メディアは上のようにネットで残ると思うので、CMにかけていたコストがそれによって軽くなり、ゲーム本体に回せるのならば、それはそれでいいかもとも思います。本当の理想は、広告の量(どれだけ金をかけたか)に頼らないで、面白いゲームが売れることなのですけどね。

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