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過去、ゲームに関して起こったデマ

以前Timestepsでこのようなエントリーを書きました。

過去、日本で起こった大きなデマとその顛末 : Timesteps

ここでは、過去に日本で起こったデマについて採りあげてみたのですが、これを書いている時、そういえばゲーム業界でも過去、デマみたいな情報が何度も流れたなあというのを思い出していました。

というわけで、ゲーム業界に流れたゲーム系やその他のそのテのもので、思いついたものをちょっと書いてみようと思います。

 

ゼビウスのデマ(バキュラ&隠しエンディング)

1983年にナムコからアーケードゲームとしてリリースされた『ゼビウス』はたちまちゲーマーを虜にします。そんな時、流れた噂があります。ひとつは途中で出て来る回転する板のような敵キャラ「バキュラ」に関するもの。これに256発当てれば破壊できるという噂が流れました。ですが実は破壊できません。開発者の遠藤氏も公言しています。

【ゼビウス】バキュラは256発当てると破壊できる?|遠藤雅伸公式blog「ゲームの神様」

でも当時は連射装置もない時代であり、確認もとれない時代でしたからね。ちなみに私は小学生当時ゼビウスをファミコン版で初プレイしたのですが、この当時、小学生の間でもこの噂が流れていました。

その後パロディウスなど色々なゲームで実際に256発当てれば壊せる板が出て来るという、シューティングならではのオマージュが展開されています。

あともうひとつ、ゼビウスでは最終面に到達するとループになるエンディングのない仕様なのですが、特定の条件を満たせば隠しキャラが出現してエンディングになるという噂が流れたようです。しかし、開発者である遠藤氏がこれを否定し、デマは収束しました。

この噂を確かめようとし挑戦していたと言われている人物が、当時巣鴨のヘビーゲーマーだった田尻智氏。そう、後にポケモンを生み出す田尻氏です。しかしここでの田尻氏のゲームの探求心がなければ、ポケモンも無かった可能性があるとすれば、人生何が起こるかわかりませんね。

 

源平討魔伝のゲーム開発者が死んだ

源平討魔伝は平家の亡霊が頼朝に恨みを晴らしに行くという話であり、且つエンディングで「故深谷正一氏に捧ぐ」というメッセージがあったことで、「開発者が死んだ」というデマが流れました。

これについては、過去に書いたエントリーを読んで頂いたほうが早いでしょう。

『源平討魔伝』の隠れた開発者メッセージ | GMDISC.com~ゲームミュージックなブログ~

ナムコの名プログラマである深谷氏がその時期亡くなったのは事実ですが、それと源平討魔伝の開発は直接的には関係ありません。しかしそれらが混じって都市伝説のようになったと類推出来ます。

 

スパルタンXシルビアのデマ

ファミコンソフト『スパルタンX』は1~5面までの編成で、5面をクリアするとヒロインのシルビアを助け、また1面からやり直しとなるのですが、それを何周か繰り返していると、救助するはずのシルビアが襲ってきて戦闘になる、という噂が流れました。

しかしこれはどうやら当時のマンガ『ファミコンロッキー』からのもので、実際にはあり得ません。ただ、なんとなくおもしろいので、昔からネタになっているようです。

下はYouTubeで見つけた『メイドイン俺』で作成されたもの。

ちなみに「空中階段」という裏技は本当にありますが、大して役には立ちません(でも子供の頃何回もチャレンジした)。

 

スーパーマリオ関連のデマ

ゲーム史上においても長年最も売れたソフトとしてトップの座を譲らなかったスーパーマリオ、これについてもいろいろなデマが飛び交いました。

挙げてゆくとけっこうきりがないのですが、主にステージ8以外の面の存在が多かったような。これはゼビウスにも言えますが、土管やワープ、無限1UPなど隠しネタが多かったので、そういうものの存在を信じやすい状況もあったのでしょう。あとステージ9やポール越えなど、バグで希に出来るものがあったのもそういったものを信じやすくする土壌があったのかもしれません。

 

高橋名人逮捕のデマ

ファミコン時代、名人としてその名を高めたハドソンの高橋名人。その人気が絶頂期に、「高橋名人が逮捕された」という噂が流れます。その逮捕の理由は、連射の際にバネを仕込んでいた、薬を使っていた等々。

結論から言うと全くのデマで、警察署長をする話がいつの間にかそのように変わっていったようです。

■参考:高橋名人 – Wikipedia

ゲームの都市伝説は笑える類ですが、これは実際の人物に関するもので笑えないですな。

つか、いまだに信じている人がいるとか。デマを消すのは大変ですね。

 

ファミマガのウソテクから発生したデマ

ファミコンの全盛期はネットなんてない時代でしたので、ゲームの情報を得る大きな手段はゲーム雑誌でした。当時はファミコン通信(現ファミ通)、ファミコン必勝本、マル勝ファミコン必勝本といった雑誌などがありましたが、当時のキラーコンテンツは「裏技」の紹介ページ。各雑誌はこれを競って載せていました。

その中で独特だったのが、徳間書店から出ていた『ファミリーコンピューターマガジン』でした。この本にももちろん裏技コーナーがあったのですが、その中には「ウソテク」という、ウソの裏技が毎号一つだけ混ぜてあり、それを当てて送るとプレゼントが当たるという仕組みでした。こうしたのは実は、他誌がそのまま掲載された裏技を真似して載せられないようにするための対策だったと言われています(実際他誌でウソテクが裏技として掲載されたのを見たことがあります)。

さて、この中で有名だったのが、スペランカーと水晶の龍のウソテク。スペランカーはあの虚弱体質による高難易度でしたが、タイトルで音楽に合わせてボタンを打つと無敵になる、という技が紹介されましたがウソでした。しかしこの技の期待値が高かったのか、しばらくは信じられて広まりました。

しかしそれ以上にウソテクを広めたのがスクウェアから出ていた水晶の龍において、女性キャラと脱衣野球拳が出来るというもの。当時のファミコンの倫理規定ならそんなのは当然無理なのですが、それを信じた純真な多くの青少年が本当に試し、そしてウソテクとわかって血涙を流したという伝説があります。嘘か誠かその時期『水晶の龍』の売り上げが上がったという話もありますし。

ちなみにそのリベンジとばかりに、数年前に実際に野球拳が出来るFlashが作られていました。

■参考:ウソテクデータベース
4198632251
超実録裏話 ファミマガ 創刊26年目に明かされる制作秘話集 : 山本直人

 

FFVII、ヒロイン復活のデマ

ファイナルファンタジーVIIにおいては、某ヒロインが途中で死にますが(まあもう伏せる必要もないかもですが一応)、それが復活するという噂が結構流れました。方法はとあるマテリアを使うなど。あまりに衝撃的な展開だったので、かなり信じられていたようで、かなり試されていたようです。

この時期、丁度インターネットが普及し始めたものの、利用者が少なかった時代です。おそらくこのようなデマがネットなしで伝わる、最後の時期だったのでしょう。

 

FFXのラスボスは……

PS2においてのFFシリーズ最新作、ファイナルファンタジーXが2001年に発売されましたが、その時に既にわりと普及していたネットで、発売当日から「ラスボスは●●●●●●●」という書き込みがなされました(ネタバレで良い方はこちら参照)。そしてそれを見た人は「ネタバレだ」と怒ったということ。

ただこれ、プレイしている人を怒らせるための書き込みではありますがウソで、ラスボスは別にいます。ただ、ラスボスらしい感じのキャラだったので信じられてしまった感じでしょう。

その後、注目されるゲームの新作が出る度にラスボスはそのキャラとか、ありえそうなウソキャラを書くのがネタ通例となりました。たまに本当に書き込む人もいますが。
ともあれ真偽両方でこのようなネタバレ書き込みが行なわれることは多いので、ネタバレが嫌な人はプレイ中あまり掲示板を見ない方がよいでしょう。

 

タクティクスオウガのギルバルトエンディング(真実)

まず、多くの人がご存じだと思われますが、これはデマではありません。とある条件を満たすと、前作『伝説のオウガバトル』に登場した天空のギルバルトというキャラが登場するEDがあります。

ただ、出し方がシビアだったため、また当時はネットも広がっていなかったために、当初はデマではないか、と噂されたりもしました。しかしその後出し方が特別なものを基準にしている(民族のカオスフレーム)とわかってくると、それが本当だと立証されてゆきました。

まあ、こういう逆パターンもあるということで

 

まとめ

その他、新ハードの噂とか、会社がどうとか売り上げがどうとか人(開発者)の異動がどうという話題はその手のものはデマが出る事も多いですが、割愛します。

でも、ネットのない時代のこういった噂って、今思うとなんだか夢があったようにも思えます(高橋名人逮捕とか迷惑なのは別として)。それは多くの人にとって迷惑をかけておらず、たとえ外れでもそれを探すという行為がゲームの楽しみ方の一部だったからかもしれません。

ただ最近のネットではゲームの情報が正確に伝わるようになった分、こういうのではなく、業界がどうとか人がどうとかいうデマのほうが多く、なんだかなあという気もしたりします。

 

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