私はiPhoneがそれなりの人気は出ても、携帯電話市場やゲーム市場を大きく揺るがす、という点については懐疑的です。その理由は前回話した通りですが、もうひとつ、実はこれに似たようなコンセプトのものが既に5年前に出ていて、且つ失敗しているというのがあるのですよね。それの名前は「N-Gage」。
これは、世界の携帯市場では圧倒的シェアを誇るノキアが発売した携帯電話一体型ゲーム端末です。ただし、国内未発売です。
■Nokia、新型モバイルゲーム端末「N-Gage」を発表。国内発売は前向きに検討中（2003年当時の記事）
リンク先でも書いてありますが、これはゲーム機、シリコンオーディオ、FMラジオ、携帯電話機能を装備したモバイルゲーム端末でありました。発売が2003年ですから、ＤＳやPSPの1年前ですね。iPhoneがアメリカで発売されたのが2007年ですから、それより約４年前に発売されたことになります。
ただ、これが海外で成功したという話は聞きません。『巻き返しの切り札となるか？ 売り上げ不振の「N-Gage」にゲーム機能を強化した新機種登場 』で見るあたり、どうも売り上げは芳しくなかったようです。やはり、重さや使いづらさ、そしてバッテリー不安が要因になったのではないかと。
私がiPhoneはそれなりの盛りあがりにはなるけど（iPod Touchくらい）、携帯電話やゲーム市場を大きく変えるまではいかない、と思っているのは、このN-gageが先に通って、そして失敗した道だからというのもあるのですよね。
さて、まだ触れていないのでわからないのですが、iPhoneをゲーム端末とする時、これと同じ轍を踏んでいないかも注目に値するでしょう。もっとも、タッチパネルという特性のものである以上、DSやPSPとは全く別のおもしろさを出さないと、ゲーム機としては話にならないと思いますけどね。
