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『同人音楽の森』が拭わなければならない不安

 『同人音楽の森』というものがスタートしたようです。

 ■JASRACを気にせずカバー曲を委託販売できるサイト「同人音楽の森」
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/03/19/18869.html

 ■同人音楽の森
  http://www.dojinongaku.com/

 今まで同人誌や同人ゲームのDLサービスというのはありましたが、同人音楽の販売サイトというのは初めてなので、面白そうだな、とは思っていたのですが現在オープンから数日が経ったところで100曲未満というところ。サークル数にすればもっと低くなるでしょう。

 たしかに、DL同人がそれなりに盛り上がっている中、それよりもシェアは低いとはいえ、盛り上がっている同人音楽ですから、発表の場が欲しいと思っている人は少なくはないと思います。それなのに、始まったばかりとはいえどうしてここまで少ないのか。少し考えてみました。

●サイトに対して不安を持っている
 別にこのサイトだけに不安があるというのではなく、DLサイト全般に関しての不安を、このサイトも持ってしまっていると思うのです。
 以前、某中堅DLサイトのエルフィックスがいきなり倒産し、混乱したという事件がありました。
正直、同人音楽の森さんは見た限り大手ではなく聞いたことのない会社が運営されているみたいなので、故意であってもなくても倒産する可能性があります。その時、金を得られなくなるだけではなくて、自分の作品なのに版権がやっかいなことになったりする可能性を予測している人も多いでしょう。
 また以前、同人ゲームで「コンシューマに委託するから、ソフトを提供してほしい」みたいな、怪しいメールが出回ったことがあります(幸い被害に遭う前でそれの周知がネットで成されたので、それが本当はどうだったのか不明ですが。ただ、月姫やひぐらし、東方クラスならともかく、そんな簡単に移植されるほど、コンシューマは甘くないです)
 そういった「信頼性」が、まだこのサイトにはないのではないかと思うのです。で、前述のような不安があるため、サークル山が躊躇しているのではないかと。(というか、オープン前に、注目を集められるサークルさんとかに交渉なかったのかなあ……それでも断られたのかもしれませんが)
 つまり、自己アピールと信頼性の向上に努めなければ、委託サークルが増えないのではないかなあと考えます。

●作曲者に「音楽を売る」という意識が少ない
 現在、無償で自サイトやニコニコに音楽を提供している人は多くいます。そういった人たちはどうもあまり儲けを考えていないような気がします。いや、それはお金が入ればよいでしょうが、あまり多くの手間をかけてまでしたくないというような感じ。
 商品になるということは、それだけ品質に対しての責任も伴うわけですから。
 あと、現在の規模的&自分の評価的に「多分売れないだろう」と思っている方も多いかもしれませんね。

●やっぱりCDがいい
 けっこういそうですね。あと、同人誌同様、なるべく即売会で売りたい、という人も少なくないのではないでしょうか。

 ちなみに40%が手数料となるということですが、まあこれは妥当かなという気はします。

 最初に言ったように、適正に運営されるのなら面白い試みだと思うのですよ。それこそ同人音楽のiTunes Storeみたいな感じですから。ですが、結局は上のような問題、特に「信頼性」を上げることが重要ではないでしょうか。
 まあ、最初から盛り上がっているサイト何て滅多にないのですから、地道に信頼を得てゆけばいいと思います。

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