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ALT1stアルバム『0/1 ANGEL』(ALT produced by seiya-murai)を聴いてみた

11月23日、PSPの『ポップンミュージックポータブル2』が発売になりました。前にちょっと書きましたが、夏頃からほぼ10年ぶりに音ゲーをいろいろとやり始めまして(音楽を聴くのだけはちょくちょくしてたのですけど)、ゲーセンにもちょくちょく行ってます(その話はまた後日)。それで、家庭用の音ゲーもいくつか買っており、今回ちょうど発売となったポップンPSP2も購入したわけです。
ポップンミュージックポータブル2

コナミの直営ネットショップ、コナミスタイルにおいてはソフトを販売する場合、何か特典付とか同時に発売するもののセットを売って送料無料になることも多いのですが、今回同時発売となったのが『0/1 ANGEL』というアルバム。

0/1 ANGEL" ALT produced by seiya-murai
0/1 ANGEL” ALT produced by seiya-murai


これはひとつのゲームのサントラではなく、今までコナミの様々な音ゲーで使われていた、コンポーザー村井聖夜氏制作の人工音声ボーカルを使用した曲を集めたものになります。ちなみに人工音声というとすっかり有名になった初音ミクのようなヤマハのボーカルエンジン、VOCALOIDを連想する方も多いでしょうが、ALTはVOCALOIDを使用したものではなく、村井聖夜氏のお手製の人工音声ということ。初出が2002年稼働開始のポップンミュージック8なので、初音ミクなどのVOCALOID2(2007年)やMEIKOなどの初代VOCALOID(2004年)より前で、かなり前からの人工音声エンジンということになります。
先程「かなり昔からのエンジン」と書きましたが、聴いてみてわかるように初音ミクなどと比べるとボーカル単体的にはなんとなく不完全さというか時代的な差のようなものが残る印象を受けます。しかしながらそのやや不完全な感じが最新の音源や生ボーカルとはひと味違った独特の印象を受け、そしてそれに合わせて作られている音楽と共に耳にすることで、非常に聴き入ってしまうものとなっています。このあたりも人工音声の魅力かと。

ちなみに自分のオッサン的な印象から言うと、なんとなくALTのマシン的なものを残す声が、子供の頃行った科学万博(1985年)で味わったような未来科学な雰囲気を感じてしまったりするのですが。キャラクターALTのデザイン自体もややアナログなイメージがおそらくは意図的に表現されているのですが(頭のテレビブラウン管っぽいし)、だがそれがかえっていい感じだったり。最新作ではキャラクター名ごと「ALT2.0」となっており、バージョンアップされたりしています。
前述のように全編ALT楽曲ですが、バラエティに富んだものになっており、それぞれに聴き応えやおもしろさがあります。

音ゲーをやる人に特に有名なのは、『隅田川夏恋歌』。隅田川花火大会でのデートにおける女の子の心情を歌っているものですが、歌詞が非常に甘酸っぱい、そしてちょっとだけ苦い(後述)感じがして、隅田川花火大会に行ってる間俺は東京ビックサイトだよチクショウコノヤロウという人間が全国で何人いたかは知りませんが、リズム的にも雰囲気的にもとてもいい曲ですが。ただ、この曲をもう一つ有名にしたのは、『jubeat』における難譜面、通称「濁流」だったりもしますが。

他には、「ニワトリなのだ」という曲もなかなか。曲調は跳ねるようなリズムの曲ですが、その養鶏舎で育てられているニワトリが食べられる前に脱出しようと試みようと考える、だけど自分は飛べないニワトリなのだという曲。

なんか『みんなのうた』的なPVイメージが思い浮かんだりしました(たぶん「恋するニワトリ」とか「およげタイヤキくん」的な哀愁があるからかも。みんなのうたってそういうの多いよね)。

『みんなのうた』といえば、カバー曲も一つ、あの有名な「コンピューターおばあちゃん」も入っていたります(ポップン9)。しかしこれこそALTにぴったりな歌だなあと感じる曲。ちなみに現行の実機筐体からは削除されているようなので、CDは貴重かも。
余談ですが、ゲームのボーカルなどでも有名な茶太さんが歌っている、著作権管理元了承済同人CDとして出された同曲のいいアレンジもあったりします(ただし入手が困難)。
あと個人的に『REFREC BEAT』で一番やりこんだ曲なので思い入れも深い「まるでマトリョーシカ」(けっこうレベルの割に簡単なのもあったので)。マトリョーシカという名前の通り曲調はロシア民謡風なのですが、歌詞が倦怠期の男女というもの悲しさを憶えてしまうものだったりします。しかし歌詞に「おそロシヤ」って出て来るのは重い雰囲気なのに笑えます。

ほかにもいい曲が揃ってますし、CD収録の全曲リミックスも聴き応えがあるよいものとなっています。
全体的に言えることですが、ストレートにさわやかな曲(『Linar Locomotive Love』とか)やスリル曲(『DOES NOT COMPUTE』)があるのと同時に、どことなく歌詞に隠れた哀愁があるものが多く感じるのですね。上のマトリョーシカはもちろん、ニワトリなのだも飛べないこと、逃げ出せないことが印象に残る感じですし、隅田川夏恋歌もどことなく幸せな雰囲気なのですが上に突き抜ける感じではなく、99%の幸せと1%の不安みたいな、隅田川ならぬ神田川的哀愁があったり(全然関係ないけど、ポップン18せんごくの隅田川夏恋歌ALTイラストって、銭湯のタイル上に座り込んでるようにも見える)。あと、『KUNG-FU MAMA』においても、基本活劇風なのですけど、CDのロングバージョンは最後の方で来たるべきお母さんの危機に対してのちょっとした哀愁のようなものを感じたりしますし、『Spring Pain』もその通り。

しかし、この曲調、歌詞、さらにその歌詞から受ける個々の印象から様々にとれるところが、それぞれの曲を良曲にしていると思うのです。ALT以外での村井氏作曲で、ポップンポータブル2に収録されている『Space Dog』なんかもそうかも。でも『隅田川夏恋歌』と『まるでマトリョーシカ』のストーリーが繋がってたら切なさ倍増だなあ(多分違うと思うけど。つかそうあってくれい)。

いまのところコナミスタイル専売ですが、音ゲーをやった人はもちろん、それ以外の人にも聴いてほしい一枚です。もしくはゲーセンでjubeatやリフレクビート、ちょうど20が稼働しつつあるポップンミュージックをやったりするのもありかと。日が変わるのも近い夜中に自分もよくプレイしてますよー。

 

0/1 ANGEL" ALT produced by seiya-murai

0/1 ANGEL” ALT produced by seiya-murai