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ゲームソフト媒体がROMカセットからCDに変わった時の様々な影響

 1994年、その当時に「次世代機」と呼ばれたプレイステーション、セガサターン、3DOといったハードが発売となりました。これらのハードはそれまでのハード、とりわけ圧倒的なトップシェアを誇っていたスーパーファミコンから様々な部分において大きな変化があったため、非常に注目されました(これについてはまた後日改めて書きます)。
 さて、その中でも一番大きな変化だったのは、やはりソフト媒体の変化でしょう。スーパーファミコンまではROMカセットが主流でした。メガドラCDやPCエンジンCDROM2などはありましたが、それはあくまでメガドラやPCエンジンの系列であったため、1994年に発売されたSSとPS(それに3DO)は、CD媒体ソフトの専用機の幕開けと言ってもよいでしょう。
 そしてROMカセットに慣れ親しんだ世代からは、その変化は大きなものでした。それはもちろん形だけではなくて、そこからもたらさせる様々な部分において。今日はちょっとそれについて書いてみようと思います。
★ソフト占有スペース
 まずは外形的なところから。それまでのROMカセットというのものは実はかなりスペースをとるものでした。特にスーファミの箱の大きさはかなりものものになっていました。これはソフトの大きさもさることながら、ROMカセットは衝撃を加えたらダメになる可能性が高いので、緩衝用としてそれよりも余分なスペースがソフトケースに求められたからですね。
 しかしここからゲームソフトのケースはCDのPケースサイズでほぼ統一されることとなります。この省スペース化は当時衝撃的でした。あとCDの裏面が黒ってのも衝撃的でした。
 ここからはCDサイズ、DVDサイズのプラケースがソフトケースの主流となります。もっとも携帯機(ゲームボーイ)ではGBAを経てDSの誕生までずっと紙ケースでしたから、急激になくなることはありませんでしたが。
 まあもっともメガドラCD等は前述のようにすでに出ていましたし、PCエンジンのHuカードはそれ以前に小さくなっており、ソフトのCDケースサイズになっていたので、そっちに慣れ親しんだ人からはそれほどでもなかったでしょうが。
★ソフトの価格
 この当時、スーパーファミコンのソフト価格は高騰し、10000円程度というのも珍しくありませんでした。これは何も便乗値上げをしていたというのではなく、ROM価格があがったことと、それと合わせるようにソフトの必要容量も上がっていったために値段もそれに比例するようにつり上がり、結果としてそれだけ高額になってしまったというのがあります(まあマージンの高さもあるでしょうが)。しかしCD媒体であるPSやSSのソフトは、それの半分近い価格で売り出されます(だいたい4800~5800円が主流だったかな)。これはハードが高くても(初期はPS、SSとも4万半ばだった)飛びつく要因になりましたね。
★読み込み時間
 上のは外因的なものでしたが、もちろん媒体の変化はゲームにも影響を与えます。その最たるものは読み込み時間。ほぼ読み込み時間がないROM媒体に比べてCD媒体ではそれなりの時間を食います。現在でこそ気にならない程度になってきたましたが、その当時は「Now Loading」のまま1分くらい切り替わらなかったり、ことあるごと(RPGなら室内に入る度、格闘ゲームなら1ラウンド終わる度)に読み込みに入り、ウザいこと限りないものというのが非常に多くありました。PSやSS初期のゲームにも名作が多いのですが、どうもやる気が起きないのは、この読み込み時間が邪魔をしているからかもしれません。
 いや、まだPSやSSならマシかもしれません。それよりちょっと前のネオジオCDなどは、まさに読み込みだけでゲーム時間の殆どを費やすのではと思うくらい時間がかかっていました(さらに大昔にはディスクシステム時代には『レリクス 暗黒要塞』っていう伝説の読み込みばかりゲームもありました)。こんな感じで、「読み込み時間」はCD媒体ソフトにおける大きなデメリットでもあったのです。
 しかし、時間が経つ度に、その読み込み時間を減らす、もしくは長く感じさせないための技術というのが蓄積されてきました。そしてハード方面のメモリも増え、今ではほとんど気にならないレベルにまでなってきています。でも、ここ10年の据置機は、この読み込みとメモリの問題がつねにつきまとっていたと言ってよいでしょう。
★音楽の変化
 ソフト媒体の違いと直接関係があるのではないかもしれませんが、このブログ的に重要事項なので書いておきます。
 スーファミまでのゲーム音楽といえば、ほとんどそのハードの内蔵音源を使用したものを鳴らす感じでした。しかしCD媒体になってからは、ソフト内部に音声を収録して、それを鳴らす方法が採られるようになってゆきます。最初の方はCD-DAで収録、その後アーカイブしたデータをソフト内部に持たせるという感じですね。これにより音質のよい音やボイスを収録できるようになります。ゲームにボイスがつくのが一般的になってきたのも、この頃ですね。
 ただ、それによりハードごとにあった音源的な個性が薄れてしまったのは惜しいところではありますが。
 こんな感じで、ROMカセットからCDへの移行はコンシューマゲームの歴史にとってかなり大きな変化だったと思うわけです。
 しかし現在、メモリの値段が大幅に低下してきて、次の据置機のソフト媒体候補にROMもあるなんて話も噂レベルで聞きます。PSPgoみたいにダウンロード専用ソフトが主流になることもあるでしょう。その時にゲームはまた何かが変わるのでしょうか。

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