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ゲームの攻略サイトについて改めて考えてみる

このようなニュースが。

800本のゲームに捧げた青春 21歳、攻略サイト「GAYM」で起業 (1/2) – ITmedia News

さて、これはなかなか興味深いニュースのように思えます。今日はこれをふまえて、「ネットでの攻略」というものについて考えてゆきたいと思います。

 

攻略サイトの歴史

今までもネット上に「ゲームの攻略サイト」というものは存在しました。おそらくは1990年代のインターネット発展期からあったのではないでしょうか。ただ、それは統合的なものではなく、個人がやったものをレビューと同じように攻略として公開するという感じ。ですので、抜けも多かったです。

しかし、2000年代になると、それを専門的に扱うサイトというのが増えてきました。ランキングサイトReadMe!でも、DQ,FF系の攻略サイトが上位に来ていました。

さらに最近では、それらの攻略を統合しているサイトというものも増えてきたり、みんなが編集できるWikiとしての形のものも増えています。ゲーム名+攻略という単語で検索すると、上位にそういったものが出てきますよね。

 

攻略サイトは攻略本(雑誌)を潰すか

ここで気になるのが、今までファミコン時代から在り続けた「攻略本」の存在。現在、攻略サイトは発売1週間以内にほとんどの情報が掲載されてしまうことも珍しくありません。となると、速報性では絶対にかなわないわけです。それでも昔は写真や絵で攻略本にもアドバンテージがありましたが、最近は自分でマップを描いてくるような攻略サイトも多く存在します。そうなると、金がかかる攻略本や雑誌の需要はますます減ってくるのではないかと(ゲームの種類にもよりますが)。

そうなると既存出版社はもちろん、ロイヤリティーが入ってこなくなるゲーム会社の方にも影響が出ます(まあ、たいていの場合ロイヤリティーはそんなではないと思いますが)。

 

攻略サイトに対するメーカーの態度

これらのサイトにおけるメーカーの姿勢は様々です。例えばFF9の時、スクウェアの坂口氏は、インタビューでこのようなサイトの情報は自粛して欲しいという旨を語っています(ちなみにこの時は、攻略情報も規制され、アルティマニアも出ませんでした)。また、最近では『レイトン教授』において、この攻略情報を削除するお願いが出されました。

「レイトン教授」の制作会社、攻略サイト即刻削除の「お願い」を発表 – GIGAZINE

これらはどっちかというと、ゲームの性質上簡単にネタバレされると困るということからのコメントで、収入的概念は薄いと思われます(これらのゲームの場合攻略本のロイヤリティーは微々たるものだと思うし)。

ただ、そこまで大きくなく、攻略本が重要な収入であるソフトハウスがないとは言えません。

 

「企業攻略サイト」をどう捉えるか

さて、ここで問題となってくるのが、最初の「GAYM Gamers」が企業サイト、つまり営利を目的にしているということ。たしかに今の個人サイトの多くではアフィリエイトやアドセンスなどが貼られ、一定の収入を得ているものと推測されます(営利が目的か、攻略のついでのお小遣い程度かはわかりませんが(ただ、製品を持っている人が来るのだから、その製品のアドセンスを貼っても、たいして収入にならないような気はします)。

しかしこれはグレーゾーンに踏み込んでいると思われます。今までは個人が「趣味で」攻略を公開していたので、それに対しての口出しは出来ませんでしたが、営利目的となると、極論人のデータを使って儲けている、と解釈するメーカーがいてもおかしくありません。見方によっては、本来は行ってくるはずのロイヤリティーが攻略サイトにより削られていると見ることも出来るのですから。とはいっても、実際にそこまで影響あるのかはわかりませんし、非常に判断しづらいところです。

今のところ、「趣味のついでのアフィリエイト」という形で、あくまで非営利ということになっているので大きな問題は起きなかったでしょうが、企業がやってしまうと、個人サイトと同じように出来るのかは非常に微妙です。

 

攻略サイトを許容するメーカー

しかし上のリンク先では、「うちのゲームもGAYMに載せてくれよ」と歓迎されたことが書かれており、全員が全員、上のように思っているわけではなく、歓迎までもいかなくても容認しているケースはそれなりにあると思われます。

では何故、歓迎する会社があるのか。それは上のように、攻略本が出せるメーカーばかりではないから。つまり攻略本が出ないようなメーカーは、逆にそういった情報を載せてくれた方が、一種の広報につながるということ。そこまではいかなくても、「ま、別にあってもいいんじゃない?」と思っているメーカーは多いのでは。

 

ゲーム攻略サイトはこれからどうなるのか

さて今日はそういったサイトやメーカー側からの視点で書いてきましたが、ユーザーとして(サイト側の広告とかの事情ぬきで)「攻略サイトは是か非か」となると、私は「あっていい」と思います。なぜなら、見るか見ないかの自由はそれぞれのプレイヤーにあるので。そして楽しみ方も自由ですし。私の場合、一回自力でクリアして、もう一度見直しながら足りなかった部分を回収するというプレイをよくしますしね。おそらく、黙認しているメーカーの人も、そんなふうに思っているケースが多いのではないでしょうか。

ただ、前述のようにここに営利問題が絡んでくると、メーカーがどう思うかで、このサイト、いや果ては個人攻略とされているサイトの立場も変わってくる可能性はあるでしょう。そのうち、営利を伴うものは、攻略もメーカーに対しての登録制とかになる可能性はあるかもしれません。ただ、やり過ぎると逆にユーザーを減らしかねませんし(例、ときめきオンライン。攻略情報の公開が厳しく規制され、結果としてユーザーを減らしてしまった感があります)、難しいところです。

 

そういえばネットの初期って、メーカーの素材を使うのには「この素材を使っています」ってのを表示してください、ってお願いがあったような気がしますが(カトゆー家断絶さんのトップにも表示ありますね)、最近少なくなったなあ……

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