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クラブニンテンドーの「早期購入ポイント」には隠れた目的がある気がする話

 なんか久しぶりにDS、というかQMAばっかりやっている気がします。これはPSPもそうですが、机から離れずに、休みたいときにぱっと手に取ればできる携帯ゲーム機の強みを実感した感じです。あとは通信が繋がるまでの時間が解決すればいいのですが。
 さて、DSのソフトを買ったらまずやることがあります。それはクラブニンテンドーのポイントを登録すること。とりあえず毎年プラチナになればけっこういいものがもらえるので、忘れないように登録しています。
 さて、このポイントですが、DSソフトの平均的なものでは、だいたい製品ポイントが20ポイント、それに加えて「早期購入ポイント」という、発売からだいたい数週間以内に買うとついてくるポイントが20ポイントなのですよね。つまり、この場合は早く買うとポイントが倍になると。
 さて、こうしている理由はさほど考えるまでもなく思い浮かびます。それは現在のゲーム市場というのは、早く売れたほうがよいから、というより、早く売れないと困るからですね。ランキングを見ればわかるように、ほとんどのゲームは発売週に売り上げの大半を占めてしてまうからですね。故に、どれだけ発売までの広報展開次第で、ゲームの売り上げを左右する面は非常に大きいと思います。また、早期に売れることでリピートがかかりやすく、売り上げも伸びるという面もありますよね。
 しかし、売れるのに時間がかかるのをメーカーも店もあまり望まないでしょう(売れないよりはましですが)。というのは、メーカーの再生産ラインもいつかは切らないといけない時が来ますし、店だって、ずっと商品を置いておくわけにもいきません。それはどんどん新しい製品が入ってくるのですから。ワゴンで利益を出さないこと覚悟で売るというのも、これ以上置いても売れないし、置くスペースがないという状況のもとに行われますね(あと税金問題もあるか)。
 あとは、ユーザーもあまり購入を急がない場合、値下がりするのを狙って買うのを保留しておくという人もいるでしょうから、やっぱり売り手としては早く定価に近いうちに買って欲しいと思うでしょう。値下げは店にとればあくまで緊急手段なのですから。
 このようなゲームの売り上げ状況から見て、早期購入ポイントというのは、ユーザーに早く商品を購入させるという点で、有効な手段のひとつではあると思います。
 ただし、メリットばかりではないとも言えます。それは、最近DSで出てきた現象。最近、『脳トレ』『Newマリオ』など、ランキングに長期間居座る「ロングセラーソフト」がぽつぽつと出てきました。そのようなソフトに対しては、逆に早期購入ポイントは、先に購入した人だけが特をするということになり、購入を手控えさせないかと。いや、例が悪いですね。『脳トレ』や『Newマリオ』クラスなら、そんなの気にしないでしょう。しかしもっと地味な中堅ソフトで、もしかしたらロングセラーになりそうなソフトだけど、早期購入ポイントがあるためにそっちのほうのソフトを買ってしまうということにはならないかと。
 いや、これは別に「早期購入ポイント」が悪いのではなく、ゲーム業界が長年抱えている問題のように思えます。それは、どんなよいソフトでも、発売日を過ぎると売れなくなってゆくという、出来と売り上げが比例しない現象。
 考えてみれば、そもそもやってみるまでわからないゲームなのに、その評価が固まる前までに買わないといけないってのも変な話ですよね。でも、長いコンシューマ歴史の中でそうなってしまったのですよね。本当なら、発売される→ゲームをする→おもしろさが広まる→そして売れるとなるのが理想なのに、そんな時間をかけていたらダメだと。だから発売前に広報展開など、ゲームに直接関係ないところでのアピールが重要になったり、たとえできても体験版の一部だけだと。
 そしてこの状況はいくつもの悲劇を生み出してきました。それは続編病。つまりオリジナルのタイトルだと、どんな面白くても知名度不足で売れないから、続編として出してしまうと。ときには全く別のゲームでも、名前を続編にするとかもよくありますね。また、逆に1作目が面白かったのに、期待して2作目を発売日に買うと、クソだったということもよくあります。だけど現状では、多くのものが初回の発注で売り上げの多くを決めてしまうので、発売日に売れるためにそうせざるを得ないと。
 任天堂製品は「みんなのニンテンドーチャンネル」などで、発売されたものの評価が出来るようになっています(他のハードにも公式、私的において似たようなものはありますが)。ということは、発売したソフトも売れるようにもっていく意思があるように思えます。なら何で、発売週の売り上げを偏重させる仕組みを作っているのか。それは店等の都合で、未来はひとまず置いておくのか。
 しかしさらに考えてみると、必ずしもこの制度は発売週売り上げ主義を推進しているにではないかと思えてきます。もしかしたら「早期購入ポイント」は、なるべく早くに入手させ、口コミを広げさせて、そのソフトを埋没させないためにあるのではないかと。それは、早期購入ポイントの期間中あたりには、クラブニンテンドーでアンケートに答えると、ポイントがさらに10くらいついてくるというのがあります。つまり「早期購入ポイント」は、ある意味そのソフトの評判を査定する評価代という目的もあるのではないでしょうか。これは「みんなのニンテンドーチャンネル」などの試みからも同じことが言えますね。
 そしてその期間に評価が高ければ、メーカーや店がその後ロングセール商品として棚に起き続けるかの参考にすることも出来、結果として、いいソフトが長い間売れる状況を作り出すことが出来るのではないかと。なら、早期購入ポイントで旧作が売れなくなるというのは、視野狭窄であるかもしれません。面白いものを求めるのならば、別にポイントがないくらい気にしない人がほとんどでしょうし。
 まあ、もちろんこんなことを任天堂が計算しているのかどうかはわかりませんが、うまく運用すれば、そういった状況にもなるのかなと思えるのです。
 現状では絶対無理でしょうが、ゲームの売り方の本当の理想は、発売時期にかかわらず、面白いソフトは売れ、つまらないソフトは宣伝が多くでも排除されるという状況ですけどね。ある意味、発売日がいつかわからず、出来たら店に売られるという、大昔のパソコンゲームみたいな状況が、ゲームにとっての最良なのかもしれません。まあそこまでとは行かずとも、面白い=売れるがイコールになっていけばいいなと思います。「隠れた名作」というのは、「売れなかった作品」でもあるのですから。

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