スポンサーリンク

「ゲームは1日1時間」と言わせたかったのは誰なのだろう

このようなエントリーがありました。

ニコ動とオタ系サイトは共存できない

ここには、現在ニコニコ動画がオタ系サイトの閲覧時間をとってしまったのではないかという主旨のことが書かれています。

その中のこの部分。

時代はかなり遡ります。ファミコンがヒットして、家庭でテレビをゲームコンソールとして使うようになった頃。テレビ放送とゲーム機との間でモニターの奪い合い戦争が勃発しました。これは私も直接は知らない。話に聞いているだけ。
時代は変わってインターネットへの常時接続が当たり前になると、今度はテレビ放送とネットで時間の奪い合い戦争が勃発すると言われるようになりました。実際そうなったのか?それはデータがないのでわからないのですが、少なくともテレビ業界に近い人に聞く限り、現場レベルでもその危機感は相当な物だったということです。

この手の話は私も聞いたことがあります。前者のゲームについては、当初テレビ局が番組どころかゲームの紹介をしたりCMを打ったりするのもあまり乗り気ではなかったと。それは時間の奪い合いだけではなくて、昔はテレビは一家に一台のみという家庭が多かったので、ゲームをする時は必然的にテレビが見られなくなるのですよね。

下のパソコンの場合も同じです。一説によると、まだインターネット初期では、テレビにURLを表示することも嫌がられたとか(まだ検索エンジンの普及前ね)。それに、インターネットを利用した番組というのがやっと最近になって出てきたことからも、全く気にしてなかったとは言えないでしょう。こちらはゲームと違ってモニタはパソコン用のものがあるのが大半ですが、少なくとも同時に見るというのは困難ですよね。

 

さて、ここで思い出したのが、その20年前くらいの、ゲームとテレビが争っていた(かもしれない)頃。このころを思い出すと、ゲームはほぼファミコン一択(セガマークIII&スーパーカセットビジョンなひとに怒られそうですが)、そして完全に子どものおもちゃでした。で、各種名人が出てきましたね。一番有名なのはもちろん高橋名人、そして高橋名人と言えば、16連射の他に「ゲームは1日1時間」の言葉が有名ですね。ですがこれ、近年のインタビューとかでは、やはり社会的にゲームが非難の対象と鳴らないように保護者に配慮したみたいなことを言っていたようなのを見ました。そう言えば当時、子供心ながら、マスコミでのゲームの悪影響がよく言われていましたね。まあそれに似たものは今でもたまにあり、出る度にネットで叩かれたりするタイプのものですが。

ここでふたつのことが結びつきました。「ゲームは1日1時間」と名人など、各種関係に言わせていたのは保護者の圧力とします。では、その保護者の圧力の原動力はどこからだったのか、ということ。たしかに自分の子どもがゲームばっかりしていて、ちょっと問題意識を持っているという親はいたでしょう。ですが、当時小学生くらいの私の経験から言わせれば、実はそんな子どもは少数派でした。もちろん親の指導もありましたが、自発的に外で公園or校庭開放で野球とかして遊ぶ、もしくは室内でもテレビゲーム以外、昔からあったボードゲームなどで遊ぶということもよくありました(自作メンコブームとかもあったなあ)。あと、駄菓子屋とかも行っていたなあ(以下思い出話は長くなるので略)。

ちなみに私の育ったのは東京都練馬区だったので、原作のドラえもんあたりの感じがわりと合っています(裏山はないけどね。あと、ハタキではたく本屋もなかった)。都市と郊外の間くらいなので、ゲーム普及率はそれなりに高かったはずです。

 

つまりゲームがある時とない時とを比べれば、外で遊ぶ時間は減りましたが、劇的に、というほどではなかったと思います。にもかかわらず、何故あれほどまで保護者は問題としたのか。それはもしかして「ゲームは1日1時間」以上やられては困る人、もしくは組織があったのではないか、そしてそれは上記のように、モニターの占有時間を奪われる存在、という考えが思い浮かびました。そう、もしかしたら、「ゲームは1日1時間」 は、テレビ局のために言われていたのではないかと、そんなことを思ってしまったのです。

最近でもことあるごとにゲームバッシングは続いています。そしてそれは、悪人を仕立て上げて面白がらせる記事を作りたいから、というのをネットなどで聞くことがあります。しかし、それだけではなく、ゲームを有害として遠ざけることで、得をする人がどこかにいるのではないでしょうか、なんてことを考えてしまうのです。

もしこれが、適度に「ゲームばかりしていれば体に悪いよ」というアナウンスだったら、「まあ何事もやりすぎはよくないよな」と信じていたと思いますが、単純に犯人がゲームを持っていただけで「ゲームのせい」と誘導したいんじゃないかと思わせる報道が今まで多すぎました。今回の江東区の事件も、数年前に辞めたゲーム系会社がクローズアップされて、現職である派遣の方は何も言われない(そっちはそっちで言われたら筋違いきわまりないし、迷惑限りないでしょうが)。そんな報道に対して、マスコミを狼少年と思ったゲームプレイヤーも多いのではないかと思われます。

そして今、ネットが叩かれるのは、それと全く同じ理屈なのではとも。

 

さて今、青少年に対してネットが規制されようとしている動きはよく見られます。今の子どもは20年後、これに対してどう思うのでしょうか。少なくとも、私の子ども時代にいろいろ言われたゲームは、犯罪者を激増させることはなく、そしてその他オタク文化も、今、こうして生き残って多くの人に楽しまれています。

タイトルとURLをコピーしました