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実はそれなりの勢力があるジャンルだったパチンコシミュレーションソフト

ファミコンの時代からパチンコソフトというのが存在しました。有名なのはパチ夫くんシリーズですね。それからPSにハードが移り、今度は実機のシミュレーションソフトというものも誕生します。

例えば『フィーバー3 SANKYO公式パチンコシミュレーション』などですね(PS one Books としても出ているようで)。しかし、これらはゲーム雑誌で大きく取り上げられる機会は少なく、ゲームのヘビーユーザーも他と比べるとあまり関心のないジャンルですので、注目されることは少なかったように思います。

私の場合も、仕事で間接的に携わったのと、周りにパチンコ好きの人がいたのでやや目がいきましたが、本来パチンコをしないので、もしそういったことがなければずっと注目しなかったでしょう。

ただ、このパチンコシミュレーションソフトというもの、売り上げ的に、そしてソフトの数的には決してマイナーとは言えないのですね。

では、証拠を見てみましょう。ソフト売り上げデータとしてマルガの湖畔さんを参照させていただくことにします。※リンク切れ

 

まず、1999年、PS2発売の前年。

 51 PS パチスロ アルゼ王国2 27.7  11/25 6

次に、2000年。

 29 PS パチスロアルゼ王国4 アルゼ 12/14 28.8
50 PS パチスロアルゼ王国2 アルゼ 99/11/25 18.5

しかし、PSからPS2への移行期となった2001年には、15万以上のソフトには含まれていません。

 

でも、PS2が普及してきたと思われる2002年。

 67 PS2 実戦パチスロ必勝法!アラジンA サミー 7/18 16.6
74 PS2 実戦パチスロ必勝法!猛獣王S サミー 12/19 14.5

この年、PS2のパチスロソフトが出てきました。

次の2003年。

 84 PS2 実戦パチスロ必勝法!サラリーマン金太郎 サミー 3/20 13.6

ここはややおとなしいですが、次の2004年、驚きの展開が。

 7 PS2 実戦パチスロ必勝法! 北斗の拳 サミー 5/27 87.1
36 PS2 大都技研公式パチスロシミュレーター 吉宗 大都技研 12/9 26.9
75 PS2 パチスロ闘魂伝承 猪木祭 ~アントニオ猪木という名のパチスロ機/アントニオ猪木自身がパチスロ機~ サクセス 5/13 13.4

ここでなんと、ベスト10に入るソフトが。しかも87万本と高いセールス。

この勢いは2005年にも続きます。

 47 PS2 大都技研公式パチスロシミュレーター 吉宗 大都技研 04/12/9 19.8
71 DS 大都技研公式パチスロシミュレーター 押忍! 番長 大都技研 11/2 16.5
72 PS2 実戦パチスロ必勝法! 北斗の拳 Plus セガ 2/24 16.2
99 PS2 必勝パチンコ攻略シリーズ Vol.1 CR新世紀エヴァンゲリオン D3パブリッシャー 10/20 10.6

最後に2006年。

 55 PS2 実戦パチスロ必勝法! 北斗の拳SE セガ 8/3 20.9 –
76 PS2 必勝パチンコ★パチスロ攻略シリーズ Vol.5 CR新世紀エヴァンゲリオン セカンドインパクト&パチスロ新世紀エヴァンゲリオン D3パブリッシャー 6/8 15.0 –

 

これを見てわかるように、思ったよりも売れているのですよね。上のランキングで見る限りは、平均して15万弱くらいは売れているみたいです。ただ、『北斗の拳』はまあ例外的な人気だったとも言えるでしょう。

これは年間ランキングなのですが、当時のファミ通ランキングなどの週間売り上げを見てみると、さらに顕著になります。というのは、どの週にも5~10位くらいで顔を出していたのですよね。それは年間ランキングには出ないけど、数千本を売っていたようなソフトも。ちなみにそれは、2002~2004年くらいに多かった気がします。

 

そういえばこの時期って、パチンコやスロが最盛期だった反面、PS2の勢いが落ち着き、ゲーム市場が緩やかな下り坂になっていた時期だったのですよね。つまり「ゲーム離れ」が起きていた時期。しかしこれらのソフトを遊ぶ人は、ほとんどが実機でプレイしている人でしょうから、そのへんあまり関係なかったのかも。しかも、絶対条件となるハードを所有していることが、ちょうど(PS2の廉価版発売などで)満たされた時期ですし。ですので、安定して10万前後程度売れるこれらのソフトが多くリリースされたのではないかと思います。

ただ、パチンコでも人気の機種、人気が全然出ない機種もあり、ソフトもそれの影響をそのまま被るため、全然売れないものも多々あるみたいですが。ただ、これらのソフトの基本ルーチンは似たようなものだと思いますから使い回しができますし、且つアルゼやサミーは権利を自分の会社で持っているので、そのまま出せる分権利系のコストもかからなかったから、パチンコリリース→ゲームもリリースという流れが当然のようになっていたのかもしれません(故に5本中1本の当たりを狙って出していたのかも)。

ちなみにこれらのソフトはどのハードから出ているのか調べたら、やはりPS2が多いですね。ギャルゲートベスト盤に混じって、かなり目立ちます。これはやはり、普及しているハードでないと購入層であるパチンコユーザーと重ならないからかも(そのためか、DSでも若干出てますね)。ただ、パチンコの勢いが落ちてきたのもあるのか、はたまたゲーム市場が復活してきたせいか、昔ほどの売り上げはないみたいです。

 

まあ、こういう市場もゲームにはあるんだなあということで。ただ、PS2が廃れてきた時、おそらく一番普及しているのはWiiでしょうが、とうていパチンコシミュレーションソフト向きとは思えません。となると、どこに移行するのかが少しだけ気になります。

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