コレクションものにおける限定品という諸刃の剣

　QMA5ではこんなことをするようです。
　■自宅PCから『QMA5』のキャラカスタマイズアイテムが購入可能に
　※今日からURL表記法を変え、タイトルから直接リンクするようにします。
　でも、見たところ並んでいるのって、ゲーム中マジカ（QMA内でもらえるゲーム通貨）で買えるのを金銭でも買えるようにしただけみたいなのですよね（今のところ）。個人的にはそれならば歓迎するので（買いたい人だけ買えばいいし）、どこぞのゲームみたいにここ限定の水着とかブルマとかを1000円以上で売り出したりしないでほしいです。
　しかし私の場合、QMAのアイテムにおいては「別にほしいのだけいくつかあればいいや」モードなのですよね。それは、あまりアバターのアイテムに興味がないというのもありますが、もうひとつ「もうコンプリートできないから」という理由も強いです。
　実は、QMAにはこれらマジカや金銭で売られているアイテムのほかに、「限定品」というのもいくつか存在します。それは限定e-アミューズメントカードにおけるものだったり、または特定のイベントに参加した時にもらえるものだったり。しかし、それはもう手に入れることは限りなく困難です（いや、不可能か）。
　まあ順位関係（全国ランキングに入るともらえるもの）はおいておくとしても、それがない、すなわちもうアイテムをコンプリートできないと思うと、「それなら別に（ほしいものだけで）いいや」と思うわけですね。
　これ、QMAだけではなく、ネットゲームのアイテムにも言えるのではないでしょうか。いや、コレクションするものの全般に言えるかもしれません。もちろん切手とかその品物が無限に近く存在して、コンプリートが絶対不可能な場合ではなく、頑張ればコンプリートできるようなトレーディングカードのような類に限りますが。
　トレカを例にとって考えてみると、それを全部集められるとなれば、大金をつぎ込んででもそれを集める、という人はそれなりにいると思います。私も第一次エヴァブームの時はやりました。しかし、それが絶対集めるのがほぼ不可能と思わされるときがあります。それはそのコレクションの中で「限定品」が出た時。
　「限定品」というのは、名前の通りその場でしか手に入れられないものですから、注目も集まって購買欲も高まります。イベントで「●●会場限定カード」とかなると、東京ドームを混乱に陥れるほどの人が集まるでしょう。それは、希少価値のあるものを手に入れたいと思う他に、コンプリートのためにやる、という人も少なからずいると思います。
　しかし、それを逆に考えてみるとどうでしょうか。それを手に入れることでコンプリートへの線が途切れないということは、逆に言えばそれを手に入れられなかった場合、コンプリートは不可能になります。それならば、自分のコレクションは他の人よりも劣るということなり、一気に集める意欲が失せてしまうことにならないでしょうか。
　前述のように、切手とか、誰もがコンプリーするのが不可能なくらい膨大な数があれば「ああ、この人のコレクションはこうなのか」と、別々の価値観をコレクターの間で共有することが出来ます。トレカで言えば『マジック・ザ・ギャザリング』もそうかも。しかし、アキバ系の多くのコレクションアイテムというのは、多くのものがコンプリート前提です。ですので、そこで限定品を出してしまい、コンプリートをかけさせてしまうと、それからのコレクションを止めさせてしまうのではないでしょうか。第一弾、第二弾と続けていくならなおさらです。
　あと、最近ではイベント限定品をオークションで流すために買うという、本当に集めたくて集めている人の気力を大幅に削ぐようなことが横行しています。（余談ですが、そういう品物でそれなりに量が出ているものは、配布後1ヶ月も経つと値が落ち着くものが多いですので、焦って買わないことをおすすめします。オークションで値が上がるのは、希少価値のあるものか、需要が洒落にならないくらい高いもののどっちかです。オタク系のシェアがそんなに高いわけではないですので）
　個人的には、90年代後半から2000年前半にかけて流行したトレーディングカードの失速の一因は、そこにもあると考えてます。Ｋａｎｏｎとかイベント限定カードの濫発がかなりあったし（まあ一番は「コンテンツ考えないで出し過ぎ」と「飽きられた」でしょうが）。
　というわけで、こういったコレクションもので「限定品」を出しても、その後で全体をロストする可能性もある、ということで、あまりそういったものを注目目当てに濫発すると、後で痛い目に遭うかもしれない、というのが私の思うところ。これはトレカだけじゃなく、そしてたとえ「限定品」と名前がついていなくても、ＣＤから同人誌までいろいろなものに言えると思いますよ。
　ま、そうはいっても本来コレクションなんてものはコンプリートというのもひとつの形で（それにこだわる人を見込んで、限定品を出しているというのもあると思うのですが）、好きなように集めればいいと思うので最初のＱＭＡ５みたいにほしいものだけ手に入れればいいのではないかと。
　ちなみに、ＱＭＡ5ではアイテム交換機能を実装してほしいと思う今日このごろです。