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据置型ハード5年周期説は崩壊する?

 

ゲームハードでは、俗に「5年周期説」と呼ばれているものがあります。これは簡単に言えば、「据置型ゲーム機は5年ごとに新しいハードが発売され、その時に時勢台ハード争いが起こる」というものです。初代ファミコンの発売が1983年、スーパーファミコンが1990年、1994年プレイステーション発売、2000年PS2発売という実績から見れば、的確な説だと言えます。

で、それから6年目にあたる今年、まずXBOX360が発売された(正確には去年ですけど)のを皮切りに、今年中にもPS3、そして任天堂のレボリューションが発売になるといわれています・
さて、鬼が笑うどころじゃなくて呼吸が出来なくなって病院行きになりそうなほど先の話題ですが、果たしてこの次、2010~11年に次世代ハードは本当に誕生するのでしょうか?
私が思うに、マイナーチェンジということはあると思いますが、全面的に移行する可能性は低いと思います。
そう思う理由ですが、結論から言ってしまうと、ハードメーカーも、ソフトメーカーも、そしてユーザーの多くもその先をもう望まなくなるからではないかと。
それは、すでにハードの性能が「一般人にわかる範囲で」行きつくところまで行ってしまったと考えられるからです。
さっきまでマンガの「ギャラリーフェイク」を読んでいたので絵画に例えますが、一般人の私とかから見たら、レンブラントの真作絵画と弟子の模索の違いはわかりません。それこそギャラリーフェイクの藤田くらい見る目がある人じゃないと。(下手をすると、その辺の贋作とも区別がつかないかも)

 

ゲームに話を戻すと、これ以上見た目の綺麗さやムービーで勝負したところで、これ以上はたいして現在のPS2の画像と差別化を打ち出せないと思うのです。
実際発売してからもう5年も経つ「グランツーリスモ3」や「ファイナルファンタジーⅩ
」よりも上のグラフィックの作品は、数えられるほどしか出てないように思えますし。

同じように、内部処理出来るとか、音楽が素晴らしくなるというのもすでにPS2で行き着いてしまった感があります。まあ、処理速度(ソフトの読み込み速度)にすればまだまだ早いに越したことはないのですが、それでも限界がありますし。
以上は主にユーザー側にとっての事情ですが、次は制作者サイドの事情も見てみましょう。
綺麗な画像を造るということは、人件費や機材費などお金がかかります。今のメーカーにとってそれを進んでやるほど余裕のあるメーカーは大手と呼ばれるところ数社しかないのではないでしょうか。

 

昔のハードなら、小さいソフトハウスでもプログラマの腕次第で他より素晴らしい演出を出来るという例は多々ありました(サターン時代なら「グランディア」とかね)

しかし、今はハードのスペックが高くなったのでそういうことはわりと誰でも出来てしまいます。しかし、ハードの限界まで再現するには前述のように金がいります。CGの書き込みとかは自動的には出来ないですので。そしてその負担はソフトハウスにかかってきます。
しかし、他のソフトハウスがスペック的にレベルの高いものを出したなら、次に出すメーカーは普通のものを出しても比較されて下に見られてしまう。こういうインフレが起こります。
実際、PS2時代はこのインフレの繰り返しだったような気もします。

 

というわけで、ユーザーもソフトメーカーも、ハードの進化を望まない時代が来たのだとしたら、ハードメーカーも新しいハードを作る必要がなくなるわけです。
特に現在の日本におけるゲームの販売モデルは、「赤字でもハードを大量に出す」→「多く売ってシェアをとってからソフトのライセンス代で設ける」というものですが、ハード入れ替えはそれがリセットされてしまうわけですし。特に覇権をとった会社ならばなおさら入れ替えは望まないでしょう。
そういう3者の思惑が一致して、今度のハードは長寿命となる可能性があります。情報がないのでまだ不明ですが、もし新世代機が通信でハード(というかその中のOSみたいなもの)をPSPみたいにある程度バージョンアップ出来るようになってしまえばなおさらのこと。

まあ、それでも新ハードを仕掛けるとすれば、この争いで2番手以下になったハードメーカーでしょうが、それはユーザーにとって性能以外で見向いてもらえるものでないとキツイかもしれません。
というわけで今度のハード戦争は今後5年の覇権ではなく、ややもすると10年やそれ以上のハード主導権を握る争いになるかもしれません。

ただ、そうはいっても、携帯オーディオ業界にiPODが生まれたように、現在の我々では考えもつかないような新ハードが突然生まれ、それがまたたく間に市場を席巻する、なんてこともあり得ない話ではないですけど。まあ、ソフトコンテンツの力が必要なゲームにとっては、音楽ほど簡単には行かないと思いますけどね。

 

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