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ゲームが売れるためには本当に内容よりも広告が重要なのか

たまに耳にする話。それは「ゲームの売り上げは、商品の内容より広告の方が大事」というもの。これは何もゲームだけに言えた話ではありません。映画でも本でも似たようなことは常に言われます。そして実際にそう思っている人がいるから、こういう話も出てくるのだと思います。

さて、これは本当でしょうか。それについて考えてみたいと思います。

 

じゃあパターンとして考えてみましょう。

・パターン1……広告○(多い)・商品○(面白い)
・パターン2……広告×(少ない)・商品×(面白くない)
・パターン3……広告×(少ない)・商品○(面白い)
・パターン4……広告○(多い)・商品×(面白くない)

広告とそのゲームの品質の兼ね合いでパターン化したら、おおざっぱに上の4通りですね。

さて、パターン1は問答無用に売れるでしょう。まさに理想の環境です。パターン2は文句なく売れないものでしょう。いや、ゲームだったらこの場合、発注がかかるかという問題が先にありますね。

ではパターン3はどうでしょうか。これはよく言われる「隠れた名作」になってしまうことが多いですね。商業的にはあまり伸びないことが多いです。

しかし、初代『ガンパレード・マーチ』のように口コミで大きく伸びることもあります。あと、続編がもし作られた場合は、そちらに期待がかかることも多いですね。とにかく売り上げ的にはそれほどでなくても、他の要素で得をすることが多々あります。

 

しかし、パターン4はどうでしょうか。これ、まずパターン3と違ってあとに残るものは悪評。よって、続編やそのメーカーが作る次の作品に良い影響を及ぼさないでしょう。

それでもそのソフトは売れればいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、これが意外に売れません。というか、初動からの落ち込みがすごい勢いになります。その証拠がよく言われるところのワゴンセール。つまり小売店が仕入れたのに、そこから売れないで在庫が残ってしまし、仕方なく値段を下げるという現象などに見られます。ちなみにこのときに一番被害を被るのが、当然ギャップが出来てしまった小売店というわけで。

ただ、ゲームの場合はまだ広告押しが出来るものもありますが、映画の場合、つまらなかったらあっという間にそれが伝わります。今まで大々的に広告を打っていたのに、いざ始まってみると後日夕刊スポーツ紙の端に「『(タイトル名)』興行収入●億円で大赤字!」とか書かれることも多々ありますね。近年でも思いつくものがいくつかあるのではないかと。

 

そんなわけで、結局両者とも内容がマズければ、たとえ広告の力があっても売れないのですよね。広告によりブームとして「面白く思わせる」なんて方法もありますが、それも多少の底上げはともかく、本質的な解決にはならないでしょう。

ハードメーカーや大手サードから出るような大作ソフトは、広告の多さで売れているようにも言われることがありますが、それらの多くはちゃんと面白いから売れているのですよね(続編の場合、前が面白いということもある)。逆に、どんなに広告が多くても、売り上げが悲惨なことになったゲームというのは山のようにあります。そういうのがワゴンに行くわけですね(ま、必ずしもワゴンに入っているのも面白くないとは言えないのですが。偏っているけど面白いもの、それなりに面白いけど作りすぎ、もしくは発注ミスでて在庫が大量に出てしまったもの、時期を逃したものなどもありますし)

個人的にはこの手の広告売れのゲームとして、FF系がよくあがりますけど、たしかに他に面白ゲームがあって、それに比べれば、ということはありますが、それ自体もちゃんと面白いと思いますよ(ちなみに11と12はやってないのですけどね。X-2もストーリーとキャラ付けはともかくとして、ショートミッションというシステムはよいと思うし)。

 

さて、今後の課題としては、やはりパターン3をどうにかしてパターン1のようにできないか、ということですね。それを解消する可能性を秘めているのはやっぱり無料で使える広告媒体、インターネットなのではないかと。例えばWiiのみんなのニンテンドーチャンネルでは、そのような試みをハードメーカー自ら行ったと言うことで注目できると思います。

隠れた名作ってのは、売れなかった(隠れた)から成り立つものであるということと評価されることも多いですけど、こういうところから選別されて、真の名作が生まれればいいなと。ただ、この大人数投票システムにはまた大きな問題があるのですが

■参考

「みんなのニンテンドーチャンネル」のゲーム評価システムは、どれだけ適正に働くか
さて、先日「みんなのニンテンドーチャンネル」について触れましたが、今日これの最大の特徴でもある3つめの「ゲーム評価システム」について書いていこうと思います。 さて、これを見たとき、すごいものだと思った人は多いでしょう。何せ、ゲームメーカー自...

 

結局何が言いたいかというと、「広告も作品内容も両方あって成り立つものなので、どっちが上かという論議は不毛だよ」、ってなこと。

そんなわけで、クリエイターの皆様には目の前のものをよくするための努力が無駄ではないということを認識して、頑張っていただきたいなと思います。

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