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年末に任天堂が最も恐れていたものが来る可能性

前回の『実用・知育系ソフトの衰退とDS市場の今後』では、実用・知育系の衰退してくる傾向が見えてきたという話を書きましたが、最後にゲーム業界全体の売り上げにまで影響を及ぼす可能性について少し触れました。それはこんなニュースを見たから。

■ASHが・・・(リンク切れ)

■再掲:Wii失速で見えてきた据置ゲーム機衰退の可能性

要は売れると思われたWii、そしてDSのタイトルが売れなかったということですね。

まあそれでもPSPやPS3に抜かれたわけでもなく、相変わらずトップなのですが、勢いは落ちてきたかなという雰囲気が漂っているように思えます。まあこれが知育・実用系に引きずられたのか、まったく別の要因があるのかはわかりませんが。

とはいえ、WiiとDSの有力タイトルが震わなかったものの、次には『スーパーマリオギャラクシー』というキラーソフトがあるので心配いらない、という声もあります。なんといってもマリオ系の正当方面作品ですから。それならば上記のようなへこみも全体からすれば杞憂ですむでしょう。

 

しかし、こんな情報も。

 目標100万本に対して70万本の受注との事です。大苦戦とまではないですがやはり苦戦のようです。といっても目標が高すぎたとの見かたもできそうですね。
http://ameblo.jp/get6-2/entry-10049575594.html

う~ん……これは売り上げではなく発注段階の話なので、売り上げが下がっていると言うよりは、店員さんの警戒心が強くなっているという話なのですよね。

売り上げは発売されてみないとわかりませんが(私も買う予定だけど予約はしてないし)、もしこれが店員さんの思っている通り悪い方向で的中してしまうとまずいなあと。なんといってもこの後には12月の年末商戦が控えています。それにいい形で勢いをつなぐためには、『スーパーマリオギャラクシー』には売れてもらわないと困るからです(このあたり店員さんは切実でしょう)。

 

さて、ここから先はだいぶ可能性の低い話ですが、あり得ない話ではないとして読んでください。

もし、この『スーパーマリオギャラクシー』思ったほど売れなかったとして、そしてその次に控えている『レイトン教授と悪魔の箱』と『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』まで同じ現象が起こることもないとは言えません。しかしそれでも、まだ詳細な発売日は発表されていないものの、Wiiではセガの『ナイツ』や、一番の目玉となりうる『大乱闘スマッシュブラザーズX』や他サードの作品あるので、それまでもが売れない可能性は低いでしょう。

※追記:スマブラXは来年の1月24日みたいですね。となると、年末の目玉は『Wii Fit』なのかな?

 

しかし、もしこれらまで思ったほど売れなかったとしたら、そこには昔から任天堂が最も恐れていた魔物が再来してしまったことになるのかもしれません。それは「アタリショック」。

昔から言われていますが、任天堂は『アタリショック』の再来を恐れていると言われてきました。そのためにN64ではサードパーティーの選別を行っていたとも言われています。
しかし、今の状態というのは、任天堂が捉えていたアタリショックの前触れにも似た状況ではないでしょうか。すなわちWikipediaの「アタリショック」項目から言葉を借りれば、供給過剰や粗製濫造により、ユーザーがゲームに対する興味を急速に失い、市場需要および市場規模が急激に縮退する」という感じで。

しかも、Wikipediaに書いてありますが、アタリショックは実際にはある日急に訪れたわけではなくて、その前兆はあったようですし。そして今のソフトが売れないという現象が、その前触れの可能性であるとは否定出来ません。

まあ正直、DSに関しては今までの売れ行きのほうが異常だったから、多少下がった方が本来の予定どおりなのかもしれません。この状態が異常だというのは、任天堂自身が認めています。

■参考:任天堂、社長も「異常」と言うブームがもたらす業績 (リンク切れ)

 

ただ、問題は異常分で増加した範囲で踏みとどまってくれるかなのです。すなわち、本来は留まってくれるはずだった人が、これを機会にして流れでゲームをやめてしまうということが起きるのではないかと。

前回述べた通りDSは知育ソフトなどによってかなり注目を集め、売り上げを伸ばしました。しかしそういったものを望む層、すなわちライトユーザーはそれに飽きればまた別のコンテンツに移ります。となると、ハードとしてのブームが一段落した感がある今、「もういいや」とハード毎手放す人がでてきてしまうのではないでしょうか。

だからといって、そういった層がPS3やX360に移るとは考えにくいので、ゲーム業界全体の下降となるでしょう。

とはいっても、長い目で見るとそれは今始まった傾向ではなくて、DSが爆発的普及をするまでは、あまり大きな変動はなかった、というか緩やかな下り坂だったゲーム市場が、DS、そしてWiiというカンフル剤が切れたためにまたあるべき下降線に戻っていくとも言えます。しかし同じ所に戻るとしても、落差は高いところからの方が大きいと。

 

まあ、任天堂が昔からこのアタリショックを警戒していたとしたら、もし下がってきてもそれ以上下げないための次の手を練っていると思うのですが。

それに、またnintendogsやぶつ森のようなものが出れば、またラインを上に向かせることは十分可能だと思いますし。ただ、当然同じもの(続編)ではインパクトが薄いでしょうし、展開が先細りになってしまうので、まったく新しいものを考えないといけないでしょうが。

とにかく、良いゲームを作るメーカーまで煽りを食って潰れていくのを見るのはもうたくさんですので、なんとか今の好調を保ってほしいと思います。

 


◆追記

これを書いた直後の発表。

プレスリリース 2008年3月期 | 株式会社カプコン

 株式会社カプコンは、任天堂株式会社のWii向けに、『モンスターハンター 2(ドス)』の続編である『モンスターハンター 3(トライ)』の開発を決定しましたので、お知らせいたします。

さすがに打つ手は打ってあったということですね。しかしバイオ以来、カプコンの最初の発表は誰も信じなくなりそうだ。
ただ、知育・実用ソフトを中心に遊んで?いたライトユーザー層には、このニュースはあまり大きくないかも。『Wii Fit』次第かな?

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