スポンサーリンク

課金を前提に作られていないインターネットとPCコンテンツの枷

※この文章は2007年に書かれたものです。

 

面白いエントリーがありました。

■携帯は潤いPCは干からびる

 ※リンク切れ

携帯コンテンツが伸びた理由というのは「決済が簡単」という点がメインだと思います。そういえば私も着メロ系に2つ、ゲーム系に1つで月に315×3=945円払ってますしね。それに対してPCコンテンツですが、正直課金がさかんに行われているとは思えません。せいぜいクレジットを利用しての振り込み程度かと。ちなみに私はネットに関してはわりとヘビーユーザー寄りだとは思いますが、今まででインターネットを通じて金を払ったのは、Amazonなどの各種ショッピングとiTunesStore、はてなの有料ポイント、それにヤフオクを使うためのYahoo!決済くらいしか思いあたりません。人によってはネットゲー(MMORPG)が加わるでしょうが、それ以上のコンテンツってなると、思い出す方が苦労します。

これは前述のように、「決済」のしやすさが明暗を分けていると思います。

 

では何故PCは課金がしにくく、携帯電話は課金がしやすいのでしょう。これは、この2つの成立過程からして「課金を前提にしていない作り」と「課金前提で作られた作り」と大きく違うからだと思います。

携帯電話の課金は多くの方がご存じの通り、携帯キャリアがそのサイトの料金を携帯料金と共に徴収して、払われた金額からその分コンテンツプロバイダに支払うというものです。そもそも、すでに携帯電話はそれを使っている時点で基本使用料を払うルートが確立されているわけですから、そこを使えば決済に困難は伴わないわけですね。そしてこれはiモードサービス開始当初から、このような設計のもとで動いてきました。

しかし、PCは違います。ここではPCの歴史よりインターネットの歴史として語った方がよいと思うのでそちらにしますが、インターネットの歴史はそもそも軍事用のものを各種学術機関等が発展させたものがスタートです。そこには「商用的発展」の要素はほとんど考慮されなかったと考えて良いでしょう。
 

しかし90年代はじめにWWWが発明され、民間利用が広まってくると、それを商売として利用する人が現れます。しかし有効な課金方法はクレジットか直接送金しかなく、多くの人はそれに不便を感じていました。

そして様々な課金システムのモデルが2000年代初めあたりに提唱されましたが、現在、それがメインストリームとなるほど普及しているものは存在しないと言ってよいでしょう。少なくともクレジットカードやWebマネーを超えるものは。Yahoo!決済とかはたしかにありますが、あれもクレジット決済の一種ですし、結局クレジットか店頭販売のシステムから逃れられていないのですよね。

そういえば大昔2chに対抗すべく1chというものが作られた際に、それの計画として小口決済システムの構想が発表されましたが、それも立ち消えになりましたね。

結局、歴史からして課金どころか商用でさえあまり考慮されずに成立したのがインターネットですから、「安全性」と「利便性」を兼ね備える土壌がそもそも出来ていなかったのではないでしょうか。

 

つまり商業的に見れば、広大で自由だけど何もない大地を解放され、そこで商売を始めたのがPC(インターネット)コンテンツなのに対し、携帯は商用として整備された大地に、金を払って(携帯キャリアへの手数料)入っているようなものかと。

前に、携帯電話が普及し始めた時これが既存ゲームの地位を脅かすって思われていたって話は書きましたが、そう思われたのはこのように携帯アプリゲームから金を取る方法というのがインターネットに比べて非常に簡単に見えたからではないでしょうか。まあ実際はそんな安易なことはなかったのですけどね。

しかし、ことゲームにおいては携帯電話はそれが携帯電話である以上限界があります。というわけでPCにも利益を得られるべき人が得られる決済システムが欲しいのですが、もしそれをクリアできれば、ビル=ゲイツも夢ではないかもってくらい誰もが望みつつ、到達できていない道だと思います。

 

ただ、iPhoneなんてものも誕生しましたし、もしかしたら将来的にはそういったハードが出るかもしれませんね。例えばこんなの。

インターネットが出来る携帯ハード。ハードは安価だけど月々の使用料金が必要。でもってインターネットも音楽も出来る。(携帯は免許制なのでキャリアしか出来ないのであえてつけない。でもSkypeみたいなのが事実上使用可能)
そしてインターネット上に置いてある公式サイトのゲームをDLしてプレイできるのはもちろん、勝手サイトに置いてあるゲームもプレイ可能。そこにはフリーウェアとシェアウェアがあり、シェアはプレイすると課金されるが、決済はその月々の支払いと同時になされる。
ゲームだけではない、音楽もダウンロード可能。もちろんそれにも課金音楽とフリー音楽がある。
それぞれの課金の一部は手数料としてハード発売元が受け取るが、多くはそのコンテンツ制作者に行く。
あと、ショッピングも可能。それの課金もハード発売元が行い、手数料を受け取る。

電話機能を持たない携帯電話ってヤツかな?やれるとしたら、Appleかマイクロソフト、もしくは任天堂がさらに大きくなった時くらいでしょうけど。というかiPhoneはまだ触れてないのでわからないのですけど、似たようなこと出来てたりして。

 

タイトルとURLをコピーしました