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ハード末期に名作ソフトが生まれる理由

ファミコン以来、ひとつのハードには発売と同時のロンチタイトルを皮切りに、数多くのソフトが発売されます。その中には名作、良作からクソゲーまで出来の差があるのも言うまでもないでしょう。

それを全体を通して売り上げ的に見れば、ほとんどの場合は最初からハードの普及に伴って上り坂になり、そして最盛期を過ぎると下り坂となります。まあ今更言うまでもないでしょうが、前半はハードの普及に伴って上昇するのに対し、後半はそのハードへの興味が新しいハードの登場などにより薄れていくために、売り上げが下がっていくというのが普通でした。(最近は売り上げ低下の原因が、他のハードではないところが悲しいものがありますが)
しかし私が思うにその下り坂の後半に当たる「ハード末期」というのは、後に評価される名作が、最盛期に賢とも劣らず、場合によってはそれ以上にあると思うのですよ。それこそ発売数からの比率にすればダントツに。

一般的に「ハード末期はギャルゲーばかり出る」と言われており、それはある意味的を射てますが、その一方で非常に良質なゲームも出ていると思うのですよ。

では、例をあげてみましょう。(とりあえず名作の基準には人によって差があると思いますが、私の独断とネットでの評判を総合して選んでみました)

 

ファミコン(1983年7月15日発売)

『メタルスレイダーグローリー』(1991年8月30日発売)

HAL研究所の名作アドベンチャー。一時期万単位のプレミアがついた。

ゲームボーイ(1989年4月21日発売)

『ポケットモンスター』(1996年2月27日発売)

言うに及ばず。開発に数年単位でかかったと言われてます。ただ、このソフトはあまりの人気で、以後ハードを末期状態ではなくしてしまったのも特筆する点でしょう。

 

 

スーパーファミコン(1990年11月21日発売)

『ミスティックアーク』(1995年7月14日発売)

エニックスのRPG。しかしSFC時代のエニックスRPGは名作が多いのに、ドラクエ以外は埋もれがちだったなあ……

 

『天地創造』(1995年10月20日発売)

エニックス&クインテットの集大成。感動的なストーリー、音楽、抜群の操作性で、私の中ではゼルダと並んで最高峰のアクションRPG。

 

『テイルズオブ・ファンタジア』(1995年12月15日)

今でもシリーズが続く名作。ボイス付きは当時珍しかった。

 

『カオスシード~風水回廊記』(1996年3月15日発売)

今でも根強いファンが多い名作。サターンでリメイクされたが、そっちも出来がよかったのに発売はハード末期だったのが皮肉。

 

『スターオーシャン』(1996年7月19日発売)

「エニックスのSFC最後のRPG」として出された、今でもシリーズが続く名作。

 

 

PCエンジン SUPER CD-ROM2(1991年12月13日発売)

『リンダキューブ』(1995年10月13日発売)

サイコホラーを交えた動物収集RPG。後にPSでリメイクされヒット。

 

 

メガドライブ メガCD(1991年12月12日発売)

『ルナ エターナルブルー』(1994年12月22日発売)

ルナシリーズの2作目。続編であったのでやや注目が集まっていたのが幸い。サターンやPSでもリメイク。

セガサターン(1994年11月22日発売)

『レイディアントシルバーガン』(1998年7月23日発売)※アーケード版は1998年5月稼働

今更言うまでもないトレジャーの名作でSTGあると同時に、プレミアソフトの代表。そういえば今度サントラが出る『シルエットミラージュ』も後期だったなあ……

 

『バロック』(1998年5月21日発売)

スティングの名作。PSにも移植。

 

ドリームキャスト(1998年11月27日発売)

『斑鳩』(2002年9月5日発売)※アーケード版は2002年9月稼働

名作シューティング。このソフトのおかげで、ギャグゲーでも死んだと思われていたドリキャス市場が、シューティング市場として生きかえって『エグゼリカ』『カラス』にと続く。

何故ハード末期に名作が生まれるのか

とまあ、今ぱっと思いつくだけでもこれだけのものがあります。調べればもっと出てくるかも。
でも、何でハードが死にかけていて、一見あまりたいしたものがでなさそうな市場で、何故そういった名作が生まれるのでしょうか。

しかし考えてみれば理由はそんな難しくないと思います。
要は、そのハードの性能を知り、どうすれば面白くなるかを突き詰め時間をかけたソフトが、出せた時にはハード末期になっていた、ということですね。
すなわち「末期に名作が出た」のではなく、どちらかというと「名作を作ったらハードが末期になっていた」という感じですね。

 

あと、制作者自身がどう考えても売れないと思っているソフトは、最盛期には勢いで出せても、ハード衰退期には出さない方がいろいろいいということで、出てこない、つまり開発中止になってしまうというのもあるかもしれませんね。良作も中止になってしまうことがあるのは非常に残念ですが。

プレミアについては、ハード末期なので出回った数が少ないために、後で異様なプレミアがつくのもそういった評価を上げているのかもしれません。しかし、それを抜いても出来のいいソフトは多いと思います。
さて、現在収束に向かっているのはPS2とGCですが、GCはすでにゼルダのGC版で終了した感じですから、残りはPS2でこのような名作が出るかが注目されます。

ただ、現在はPSにせよWiiにせよ後継機種への互換がありますので、昔ほど埋もれて後でプレミアみたいな状態にはならないと思います。実際PSソフトでもそれほどプレミアがついているのはないですし。PS2でもPSソフトが遊べたので、市場もそれなりに機能してたのでしょう。
それでも、なんかいいものが出ないかと期待するのが人情というもので。
「ギャルゲーばっかの市場には興味ない」とは仰らずに、最新のゲーム機市場だけではなくてちょっと昔のハード市場も見てみませんか?
余談になりますが、今後はハード末期にギャルゲーが出るという法則はなくなってくると思います。
それの理由については、何故ハード末期にギャルゲーが出るかの話も含めてまたそのうち。

 

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★追記

シルバーガンや斑鳩はアーケード移植なので上のケースに当たらないのではないかというご意見がありましたが、たしかに言われてみれば、それらは他のものとは異なり本文で挙げたような要素は薄いかもしれませんね。ただ、シルバーガンはサターン互換のST-V基盤、斑鳩はNAOMI基盤なのでほぼ関連があり、特にシルバーガンはほとんど同時期なのでカンレンは強いと思います。

あと、「名作が末期に多い」ということで書きましたが、何も「名作はそれ以前にはほとんどない」という意味ではありません。最盛期にも同じように名作は出ていると思います。今回の末期のケースは、要素の一因という感じです。

 

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