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特典ポスターの興亡

先日、『何故、初回特典にはゲームサントラが多いのか』のエントリーでも採りあげましたが、ゲームの販売促進用の特典というものの中にはポスターがあります。しかし、そこでも書いたように、現在ではよっぽど絵柄に魅力がないと、もはや特典としては力が弱くなってしまいました。

そもそもこの手のポスターって、昔は特典ではなかったのですよね。

もちろん昔からポスターそのものを売るために作られたものはあり、それはアニメなどでは(アニメイトあたりで)若干数市販もされていましたが、ほとんどはその商品のメーカー、例えばアニメならTV局やビデオパブリッシャー、ゲームならゲーム会社が店に配るものであったのですよね。

それはもちろん、その商品が売れるように、そのゲームをやってもらうようにという広告的アピールが一番の目的だったでしょう。

オールドゲーマーなら、ゲームセンターや販売店に貼ってある(もしくは貼り終わって店の隅に放置されている)ポスターをもらってきたり、AMショーなどのイベントで配らているもの(これも本来店用の販促アイテムだった)をもらってきたりしたことがある方も多いでしょう。

で、そういったアイテムは枚数自体が少なく、人気のものとなるとどうやって手に入れるのかと苦労したという話もありますね。主に貼ってある店との交渉とか、「ご自由にお持ちください」探しですが、貼ってあるのを盗むというアレな人もいたようです。

 

そして、そのうちパブリッシャー側の誰かがこの一般ユーザーがポスターを手に入れたがる現象に目をつけ、販売特典として扱われるようになりました。ま、そっち側にしてみれば、一番安く上げる方法ならばいつも販売店用に刷っている枚数を増やせばOKというメリットもありましたしね。

そしてそれは一部のソフトでは当たり、ポスター目当てにその商品を買う、もしくはその店で買うといった現象が増えてきました。これがだいたい1990年代中盤、アニメでエヴァンゲリオンが流行し、ゲームでギャルゲーが増加してきた時代のことだったと思います。

そういえば、この頃に「ポスタードリーム」ってプライズマシンがあって、『センチメンタルグラフティ』とかの全種類を集める人とかが大勢いましたね。ちなみに当時のアキバ系バッグはショルダーが中心だったので、ポスターを詰め込む状態を「ガンキャノン」とか「JET ALONE(当時流行ったエヴァに出てくる試作機)」とか言っていたような記憶もあります。ちなみにポスターをはみ出させると、バックのチャックがわりとすぐに劣化します上、混雑する場所では目に当たる危険があるので要注意。

 

そんなわけで、「特典ポスター」は絵柄が訴求力の中心であるギャルゲーの増加も伴って、急激に増えてゆきました。

しかし、数が多くなれば目新しさがなくなっていくというのは自明の理で、だんだん「商品を買わせるための特典」としての魅力が薄れてきました。
しかもポスターを特典としてもらってきた方ならおわかりでしょうが、所詮紙ですから非常に過度が弱くて傷つきやすい上、折り曲げてしまうとなんだか価値が下がりそうなので丸めたまま保管することになり、狭い部屋の中でも場所を取ってしまうのですね。(もらってきたものを全部貼っている方は希かと)

最近では、初回特典としてつけても店員がいるかいらないかを訪ねてきて、断るケースも多いように思えます。実際私はやっぱり持ち帰るにはかさばるので、よほど欲しくないともらいません。

 

また、アキバなどを歩いても、店頭に「ご自由にお持ちください」とポスターの束が置いてあることが多ですが、よほどのものでない限りは以前のように人が群がることはなくなったと思います。

しかし、店の販促アイテムとしては未だに健在なわけですし、盛り上がりを経てもとの役目に戻ったということではないでしょうか。それに特典としても、絵柄の力が強い商品にとっては、今でもそれなりに力のある販促アイテムではあると思います。

 

最後に余談ですが、私の部屋の隅には、やや黄色くなってきたポスターがいつくかあります。最近大量に処分してしまいましたが、サターン版「カオスシード」のポスターは、大事にとっておこうと思います。ちなみに一番大きいのは、ゲームショウでもらってきた「だいな・あいらん」のB全ポスターです。

 

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