長丁場の仕事がやっと落ち着いて来たので、こまめにゲームをやってます。まあ実際は仕事の合間にもちょくちょく手を出していたのですが。外出る用事があればゲーセン寄ってたし。
最近家で一番遊んでいるゲームは何かとなると、iPhoneのアプリ各種(これはまた別の機会にいろいろと)、それにゲーム機としては3DSで、「すれちがいMii広場」「ソリティ馬」「Newスーパーマリオ2」などをぼちぼちと。まあこれは今まで仕事が忙しかったので、短時間で息抜きに出来るゲームが主流だったという感じです。で、今回シリーズはじめて「モンスターハンター4」を購入したので、これからぼちぼちと手をつけようかといったところです。
さて、これらのゲームを見てみると、ほとんど標準で搭載されるようになったのが、「すれちがい通信」。言うまでもなく、スコアの記録やアイテムの交換などが行える機能で、DSおよび3DSの特徴の一つとなっています(PSPでも類似の機能あり)。
「すれちがい通信」がブレイクしたのは、DSの「ニンテンドッグス」、そして「おいでよどうぶつの森」でしょう。特に後者のアイテム交換は、かなり長期間やった記憶がありますし、現在でも3DSの「とびだせどうぶつの森」でいろいろと楽しんでいる人も多いでしょう。また、3DSで最初からついてきてる「すれちがいMii広場」もかなりプレイしています。これには、初期の2つのゲームのほか、購入出来る4つのゲームがありますが、どれもすれ違った人が多ければ多いほど、アイテムが増える、早く攻略が出来る等、ゲームにとって特になる要素が多いです。これがなかなかおもしろいのですよね。そこまでゲームをする時間が取れなくなった自分にちょうどいいというのもあるかもしれません。
このように、すれちがい通信というのはリアルを交えた新しい面白さを提供してくれるもので、それ故にDS時代からWi-fi通信と共に携帯機の陰の主役的機能となっているのかもしれないとも思えます。
しかし最近思うのは、はたしてこの「すれちがい通信」は、全てのプレイヤーにとって親切な、もっと言えば公平な機能なのか、ということ。そしてすれちがい通信には今後今以上の可能性があるのか、ということ。
Nintendo 3DS / John.Karakatsanis
場所によって違うすれ違える人数の格差
自分は東京都住まいなのですが、地元では夕方買い物で3DSを持ち歩いてゆくと、せいぜい1~3人程度とすれちがいが出来るくらいが普通です。しかし、一度都市部、たとえば池袋や新宿に出てしまうと、2時間程度歩いただけであっという間に最大数の10人が埋まってしまいます。つまるところ、3DSを持っている人がたくさんいるところであれば集まりますが、逆に言ってしまえばそうではないところは全く集まらないと。実際、朝方全然関係なさそうな区役所とか行っても、人がそこそこいるのにもかかわらず全く引っかかりませんでしたし。
となると考えるのは、はたしてもともと人口が少ない地方部では、かなりすれちがいに苦労しているのではないかということ。学校やアミューズメントパークなど、特定の施設において持っている人が多いようなところでしたら、まだ集まる要素はあるでしょう。しかし、3DSを持っている人が少ないところにいくと、交流自体が難しくなりかねません。つまりは単純に町中で比較すると、地方は圧倒的にすれちがい通信が出来る可能性が低いことになります。
これが、ランキングの交換程度ならば限られた範囲でもガマンできるかもしれませんが、実際はすれ違える人数によってアイテムの入手(たとえばとびだせどうぶつの森における家具購入)や攻略(Miiひろばの各種ゲーム)に差が生じてしまうのが現状と思われます。
ついでに言うと、これはすれちがい通信ではないのですが、セブンイレブンなどの限定アイテム配布などの場合、近くにセブンイレブンがない場合言わずもがな。
すれちがい地方格差から起きる問題
さて、この都市部と地方における人口の違いからのすれちがい通信格差はどのような問題を生むか。
まず思いつくのは、不公平から来る不満。少なくともソフトに対してユーザーは大体同じ料金を払っているという前提なわけで、且つ同じ時間だけやってアイテム取得の幅に差があると、決しておもしろくはないでしょう。
そしてもうひとつは、その不足感からアイテムを取得するためにRMTなどイレギュラーな手段が蔓延する可能性もあります。RMTはそれが存在する時点で、そのゲームにおける様々な秩序を壊してしまいかねないばかりか、下手をすると子どもが多額の金銭を費やすなどの社会問題にもなりかねないので、メーカーは警戒心をつのらせていますが、こういった不満が金銭売買への引き金になる可能性は大いにあります。
すれちがい格差をなくすことは可能か
じゃあそのすれちがい通信の地方格差をなくすためにどうすればいいのかということになりますが、補填策を講じているところがいくつか見えます。例えばハードメーカーである任天堂は、すれちがい通信において主要駅や店舗などに「すれちがい通信中継所」を設置して、直接すれちがわなくても、間接的なすれちがい通信を可能としています。
■ニンテンドー3DS|すれちがい通信中継所|Nintendo
しかし、これはあくまで補強策であり、そのようなスポットが設置してある主要駅にさえ立ち寄れない人(これは子どもに多いと思われます)は、狭い範囲での通信に留まってしまいます。
実は「すれちがい」という枠内における限りこれはどうしようもないのではないかと。だって根本的な解決にはそれこそ都市部と地方の人口(少なくともゲーム人口)の差を解消しなければなりませんし、事実上それは不可能です。まあたしかに配信などWi-fi通信でそれを補填するような仕組みはありますが、純粋な意味ではすれちがい通信ではありませんね。
とはいえ、地方におけるゲーム人口の少なさからいえる不利というのは、今に始まったことではないでしょう。。
昔に遡れば、ゲームセンターで対戦格闘が流行った時代、なかなか対戦相手に恵まれないといった現象が起きていたようです(逆に稼働台数やゲームセンター自体が少なくて、プレイする時間がとれないという例もあるでしょうが)。故に強豪プレイヤーが都市部にまで遠征に来るなんてことはよく聞かれました。とはいえ一人でも一応遊べるビデオゲームはまだましで、地方の無電源なカードゲーム、ボードゲームのプレイヤーなんかは、それこそ今でさえ大変な思いをしているのではないでしょうか。まあこれは自分より、地方にお住まいのそういったもののプレイヤーのほうが実例がいくらでもでてきそうですが。
でも、こういった地域格差においてはネット時代においていくらかはましになった面はあるでしょうが、物理的な人数の差が生じ根本的に、というわけにはいかないでしょう。
すれちがい通信の可能性と限界
すれちがい通信というのは、機能的には非常におもしろく、またいろいろなことができる可能性を秘めていると思います。実際、どうぶつの森シリーズでのアイテム交換も、ドラクエⅨにおける地図交換もおもしろかったですし、人気でしたし。ただどうしてもこのような地域における人数の問題で、やれる事に限りが出てしまうという問題があります。そもそも(これは以前書いた記憶がありますが)そのソフトを一定数の人がやっていることが前提になり、プレイヤーが少ないソフトじゃすれちがいになりませんしね。故に対象ソフトは、ポケモンやマリオ、モンハン、どうぶつの森クラスのほとんど売れることが確定しているようなソフトばっかりになると(まあスコア交換だけだったら、小規模ソフトでもけっこうありますが)。そしてたとえ人気が出たソフトであっても、時間が経ってやる人が減ればそこで終わりですし。
場所を問わず、すれちがい通信と同じ面白さを再現できるか
故に、すれちがい通信というのは地方格差がある限り、どうしても限界があるので、残念ながらメインで使えるものではないと思われます。
ただ、この面白さはやはり捨てがたいので、そのうちネット上ですれちがい通信のようなランダム要素を生かしたゲームは出てくるとは思います(まあ今もそれに近いものはありますが)。それが、今のすれちがい通信のような地域格差を解消して、おもしろさのメイン要素になるものとなり得るかもしれません(まあぶっちゃけ携帯機じゃなくてスマホゲームとかでも出来そうな気がしますが)。ただ、サーバやセキュリティの問題など、課題は多そうですけどね。