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有名シリーズに隠れたけど出来のよい対戦格闘ゲーム

ストリートファイターIIやバーチャファイターからもう20年が経とうとしているのに、大会が開催されるなど格ゲーの人気がまだ盛り上がっているのもすごいですね(まあそれを言えばシューティングはスペースインベーダー以来30年以上となりますが)。

さて、このようにストリートファイターシリーズやバーチャ、鉄拳といったシリーズは(一時消えかかったけど)今でも新作が出て盛り上がっています。しかし、格闘ゲームの歴史の中には、そんな大人気シリーズの影に隠れて消えていったものもたくさんあります。もちろんゲームに人気の差が出るのは宿命ですが、それほど目立たずに消えていった格闘ゲームの中には埋もれさせるのには惜しいゲームもたくさんあります(消えてもしょうがないゲームもあったけど……ってさっきから余計な一言が多いな)。

というわけで、ストリートファイターシリーズやSNKのシリーズ、鉄拳やバーチャなどに埋もれメジャーなシリーズにはならなかったけど、見るところがある個人的に思う格闘ゲームを紹介したいと思います。

 

わくわく7(サンソフト)


サンソフトより1996年に発売された格闘ゲーム。ネオジオシステム利用。
可愛いキャラが目を惹きますが、かなりドットが描き込まれており、動きが滑らかで快適です。ゲームシステムとしては正当派なものですが、色々と練り込まれており、「わくわくパワー」等の使いどころで楽しさがあります。

シリーズ化にはなりませんでしたが、 今でも熱心な固定ファンがいるみたいです。

ちなみに前作の『ギャラクシーファイト』もなかなかいい出来で、底力のあるサンソフトの職人芸的な感じがします。

 

ファイターズインパクト(タイトー)


1997年にタイトーから出た3D格闘ゲーム。
見た目普通の3D格闘ゲームに見えますが、ゲームシステムはけっこう斬新で、特徴的なのはモーションスライドコンボという自由に連続技を作れるシステムでした。

ただ、見た目がこの通りポリゴンな感じ。もちろんちょっと前までは鉄拳2などもこんな感じでしたけど、運悪く殆ど同時期に『バーチャファイター3』などの影に隠れてしまいます。さらには、同社でも『サイキックフォース』が3D格闘ゲームとして人気が出てしまったため、置いてあったタイトー系のゲーセンでも完全に埋もれる形となってしまいました。

ちなみにyack.氏作曲音楽は非常に心地よく、ZUNTATAファンにはこちらのほう(とりわけ一曲が格闘ゲームの音楽としては異例の長さな「道 -Road-」)で有名だったりもします。

 

スターグラディエイターシリーズ(カプコン)


1996年にカプコンが出した3D対戦格闘。ただ、カプコンの3D対戦格闘の多く(『熱血ジャスティス学園』など)に言えますが、操作感覚は2D格闘のほうが近いです。

1ではまあ悪くはないけど平凡な3D格闘でしたが、2では見た目含めていろいろと調整がなされ、2D格闘に近くなりながらも独自の面白さを出していたように思えます。しかし、有名タイトル並に目立つ迄には至らず消えてしまいました。その後コンシューマに移植され、ゲームアーカイブスでも出ています。

自社同ジャンルで有名タイトルがあると、他のゲームはちと辛いですね。セガの『ラストブロンクス』とかも(まああれはスピードキャラ有利でバランスが多少悪かったのもありますが。『バーチャファイターキッズ』のことはノーコメント)。

 

サイバーボッツ(カプコン)


この作品はマイナーとは思わないのですが、流れ的にこれを出さないと一部の熱心な人から怒られそうな気がしたので。

カプコンが1995年に出したロボット対戦格闘なのですが、1994年発売の『パワードギア』の流れを汲みます。ゲームシステムはロボ対戦さながらのやや大味ながらも派手なものが多く、何よりカプコンらしいドットの書き込みで緻密な動きが表現されているのがとても目を惹きます。

キャラデザ(各機体に乗組員がいる)は西村キヌさん。ちなみにこの作品に出て来る悪の姫、デビロット姫は根強い人気があり、今でもけっっこう二次創作などで見かけます。

コンシューマ版はユーザーの強い希望により、特典がいろいろついたサターン版が販売されました。

 

FIGHTING武術(コナミ)

コナミが1997年に販売した3D対戦格闘。
それまでもコナミは2Dで『ドラグーンマイト』『アウトバースト』等を出していましたが、いずれも不発でした。しかし今作ではコナミの新基板であるCOBRAを使い、バーチャファイター等にも負けぬ綺麗なポリゴンを表示していました。

プレイしてみたら、オーソドックスながらなかなか調整されていて、スタンダードにおもしろい感じがしました(まあ正直そこまでやりこんではいないのですが)。

これは大々的なプロモーションも行なわれ、ゲーメストでも表紙を飾りました。しかしやはり市場はバーチャ&鉄拳であり、それに対抗出来ず、出回りも悪いことから早々に消えてゆきました。ちなみに当時、同社で人気だった『ときめきメモリアル』の格ゲーが出るなんてネタがゲーメストなどでありましたが、実際にこのマイナーチェンジである2ndでは、チェンジコスチュームで『ときめきメモリアル』の制服が出てきて、硬派なコナミファンを複雑な気持ちにさせたとかさせてないとか。

その後、『バトルトライスト』という3D格闘も出しましたが、これも不発。コナミの格闘ゲームは鬼門とユーザーと思わせてしjまうことになります。

このように格ゲーの波には乗れなかった感じのコナミですが、このあと『ビートマニア』をリリース。アーケード音ゲーメーカーの中核的存在として、ゲーセンの新時代を築くことになります。

 

エアガイツ(スクウェア)


トバルシリーズと並んで十分メジャーだろって気もするのですが、一応。
1998年にスクウェアがナムコの基板を借りて出した作品。当時全盛期のスクウェアがアーケード進出というので話題になりました。

移動出来まくるという自由度の高いシステムはなかなかのもので、3D格闘にアクション的要素がけっこう強めに加わった感じがでした。

しかし注目を集めたのは、当時爆破的人気だったFFVIIのクラウドが出てきたこと。女性が対戦格闘プレイする、当時では珍しい姿がけっこう見られました(まあ自分は新宿のタイトーゲーセンがホームグラウンドだったので、サイキックフォースをプレイする女性をけっこう見ていたのですが)。

しかし、さすがに鉄拳などに勝てずに、シリーズ化はなりませんでした。

 

ファイティングレイヤー(アリカ・ナムコ)


アリカ制作の対戦格闘。

『ストリートファイターEX』タイプの3D格闘のノウハウが詰め込まれ、なかなか独自の面白さを出しています。しかし残念なことに今まで移植されておらず、どうも可能性もかなり低いようです。

ほかがマイナーと言われてもPSやサターン、PS2に移植されているのに比べると、その分不遇かなと。

 

ブラッディロア(ライジング・ハドソン)

『バトルガレッガ』のライジングが開発した3D対戦格闘。1997年に登場。
特徴的なのは「獣化」という、人間がゲージで獣化しパワーアップするシステムで、これにより戦略の組み立てに多様性が生まれました。

大きく広まるまでには至りませんでしたが、根強い人気はありましたね。

シリーズはわりとその後も続いていて、家庭用のみですが新作の『ブラッディロア4』は2004年にPS2で発売されました。

 

豪血寺一族シリーズ(アトラス→ノイズファクトリー)

これはそこまでマイナーとは思いませんが、非常に話題が多いので採りあげます。
アトラスが1993年に発表したシリーズですが、キャラが濃い。何しろ主人公が婆さん。ちなみにこれらのキャラは『快楽天』の表紙などでおなじみイラストレーターの村田蓮爾氏がアトラスに入りたての当時に担当していました。

さらに2からは当時としては珍しいステージBGMにボーカル付の曲が流れます。しかも聞いているとなんだか笑ってしまうようなものばかり。ちなみにシリーズの作曲は田中敬一氏です。

さて、このシリーズにも根強いファンがいたため、外伝、GROOVE ON FIGHT(豪血寺一族3の位置づけ)を経て、2003年の新豪血寺一族 闘婚 -Matrimelee-、そして2006年の新・豪血寺一族 -煩悩解放-(PS2)とリリースされてきましたが、この作品、意外なところでゲームファン以外にも注目を集めることになります。それはこれ。

ニコニコ動画最古の現存動画(sm9番)と言われる「新・豪血寺一族 -煩悩解放 – レッツゴー!陰陽師」。これはもともと『新豪血寺一族』シリーズでBGMとして使われ、『新豪血寺一族 -煩悩解放-』のおまけPVとして作られたものなのですが、これがアップロードされ、注目を集めます。そしてニコニコ動画最初期の人気動画となり、CDも発売されました。
最新作は、2009年にアーケードで稼働開始の『豪血寺一族 先祖供養』になります。

 

まとめ

正直ここまで出すつもりはなかったのですが、過去の格ゲーのリストを見ているとアレを入れたらコレもだろ、と数が増えてしまいました。これレでかなり削ったのですよ(ウォーザードやダダンダーンはアクションという扱いなのでカット。ギルティギアも迷ったけどシリーズ長いしメジャーと判断。ADKの作品、とりわけワールドヒーローズは散々入れるか迷ったけど、まあメジャーだろということであえて割愛、等々)。

これらの作品はプレステに移植されているのでゲームアーカイブスでプレイできたり、まだ売っていたりします。メジャーな格ゲーもいいですが、このようなちょっと隠れた良作もプレイしてはいかがでしょうか。

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